奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

4年ぶりの六甲・堡塁岩クライミング

6/1(水)、約4年ぶりに六甲・堡塁岩にクライミングに行ってきました。月末に山岳会のイベントで訪れる予定があり、その下見と称して登ってきました。さすがに4年ぶりとなると記憶がかなり薄れていて概念のよい確認になりました。最近はジムで精力的に登っているので外岩でもそれなりに通用するかと思えば、期待ほどではなく…。もっと岩に触れないといけないと思わされました。

 

前夜のうちに奈良から移動し、岩場近くの無料駐車場で車中泊。さすがに山の上とあって肌寒い朝でした。

朝7時にパートナーと待ち合わせ、踏み跡をたどって入山。

以下、踏み跡の順番メモ。車道から近い順に…

  • 1番目→東稜の頭に繋がる道
  • 2番目→東稜と中央稜のコルに出る道(歩いて下れる。中央稜の中段テラスにも行ける)
  • 3番目→中央稜の頭に出る道
  • 4番目→中央稜と西稜のコルに出る道(最後懸垂。帰り道岩や中央稜の中段テラスにも行ける。)
  • 5番目→同上。たぶん西稜の頭にも繋がっている(未確認)

結論としては2番目の踏み跡をたどって中央稜東面の広場に歩いて下り、そこから各岩場へ移動するのが一番効率がよさそうでした。

今回は西稜や中央稜西面をまずは触りたかったので、4番目の踏み跡を選択。最後は濡れていてクライムダウンが怖く、懸垂しました。

※結局懸垂で時間かかってしまうので、西稜に行きたい場合でも中央稜東面の広場経由の方がよかったと思いました

アップとして西稜を登る。ルートがよくわからなかったが、たぶんノーマルルートIV+(右側のロープがかかっているクラック沿い)をリード。カムが役立ちました。

ロープが50mで足りるか微妙だったため、一番てっぺんまでは行かずその手前のテラスまで。ここに限らず堡塁岩は60mロープの方が安心感あるなと思いました。

パートナーがTR後、自分はザックを背負って左ルートをTR。最後にパートナーが登り、木で懸垂下降しロープ回収。

お次は中央稜西面へ。当初、コズミックライン5.10aを狙って登りだしましたが、中間部がとても登れるように思えず、左隣のハチの巣コーナー5.10aに逃げる。しかし上部の核心のクラックが大変で、テンションをかけながらカムをかけ替えて少しずつ高度を上げるという冷や汗ものの登り…。あまり自分のセットしたカムに本気でテンションをかけたことがなかったので、焦りました(一度本気で落ちてしまったものの、ちゃんと止まったのでよかった)。フリーのルートで登り切れないと大変なことになるなと痛感。あとはカムで使用頻度の高い番手は2セット目を用意しておかないといけませんね。

なんとか登りきり、終了点はボルトのみだったため、一段上がって左にトラバースした残置カラビナより懸垂下降(最初は一段上がった松の木から懸垂しようとしたが50mロープでは下に届かなかった…)。

気づけばハチの巣コーナーに1時間も張り付いていました。

 

ランチ後、踏み跡で横移動して中央稜南面下部へ。

中央クラックルートV+をリード。上部の核心でテンション入ってしまいましたが…。ここは記憶が残っているうちにRPトライしたいものですが、どうかなー。

終了点はリングつきでした。

しかしクラックルートといってもクラックはかなり浅く、残置ハーケンがなければとてもリードできる気はしませんでした…。こんなところを残置なしで登れるようになる日が来るのだろうか。

今回は時間的に登れませんでしたが、中央稜東面。次はここも触りたい。

最後に東稜をマルチピッチで登ることにしました。

中央稜の頭より望む東稜上部

1P目は樹林帯から取り付き森がきれるまでパートナーがリード。15mほど。III級程度ですが支点はリングボルト1本だけ。

2P目は自分リード。岩稜のリッジをそのまま行くラインが面白そうでしたが、荷物が重かったので左の凹角に逃げてその上は素直に直上。ここも容易ですがピン少なし。ロープが重くなってきたため、最後の頭のコブだけ残して岩角でピッチを切る。

3P目はパートナーが最後のコブ3m程度を登り切って終わり。トップにリングボルトあり。

今回は短めにピッチを切りましたが普通は2Pでいけると思います。

東稜から中央稜を望む。

東稜の頭にて。

4年前に来たときは気になりつつも登る機会がなかったので、今回登れてよかったです。脆いと聞いた気がしましたがそんな感じは受けませんでした。


まとめ。期待していたほど自分が登れずちょっとガックリきた部分もありましたが、4年前は登れる仲間頼りな部分があったものの、今回は自分主導で計画しIV+までは落ちずに登れたので、多少は成長しているなとも感じました。

今回はハチの巣コーナーでかなり時間を消費してしまったので、本数的にはやや物足りない感じもあり。奈良からは遠いですがまた機会をつくって登りにいきたいものです。中央稜南面、東面のIV~V級くらいをガンガン登りたいですね。