奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

12年ぶりの鈴鹿・渋川で沢登り

7/5(火)、鈴鹿の渋川で沢登りシーズンインしました。当初は大台ヶ原・シオカラ谷を予定していたものの、増水が予想され大峰・白子谷に計画変更。しかしこれも紀伊半島の大雨予報のため、前夜になって急遽変更。天気予報とにらめっこして鈴鹿山脈西部であれば降水量が少ないのではと予想し、パートナーA氏が以前行ったことがあるという渋川に変更。狙い通り大雨に降られることなく、沢登りを楽しむことができました。

奇遇にもここは12年前、大学3年生の時に訪れた場所。あのときも雨予報で途中敗退でした。あの頃から自分は成長できているだろうか?と考えながら現地へ向かいました。

 

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↑12年前の記録

 

小雨の降る中、「愛郷の森」へ。入口で駐車料金1台500円を支払い、お手洗いを借りた後、施設内の林道最奥に車を移動して出発。最初は河原歩きが続きますが森や岩の雰囲気がよく楽しめました。ラバー靴が苔で滑りまくるのには困惑しましたが…

一つ目の堰堤は右から容易に巻けます。二つ目の堰堤は左から巻き、まだ新しいトラロープを頼りに沢へ戻りました。この巻きの際にヒルを目撃。以降は見かけずでした。

F1が出てきたところでウェットスーツを着込み、ギアを身に着けて本格的な遡行開始。

F1は右壁は厳しく、水流も激しいのでセオリー通り左から。最後がやや悪かったような。

プールのような大きな釜をもつF2。学生のときは装備もなく釜がとてつもなく巨大で怖く見えたのですが、記憶より小さく見えて驚きました。水流が強く滝には近づけず、左壁から越えましたが最後が悪かった…。できるだけ残置ロープを使わずにということでハーケンを1本決めて足場とし、一段上がってブチブチ抜ける草をホールドに這い上がりました。

この滝の落ち口はボルトがたくさんありワイヤーもあって、キャニオニングツアーでも開催されているのかな?といった雰囲気。昼食をとって次へ。

F3。滝裏をくぐって抜ける。実はもっと右(写真外)からほぼ濡れずに巻けますが。笑

右手前の岩の裏側がトンネルのようになっていてユニークでした。

↑トンネルから見た景色

F4。右からチョックストーンの下まで近づき、ボルダームーブで越えようとするも敗退。たしか左から巻きました。

途中で遊ぶ人。笑

F5。水中に棚があってほぼ足がつきます。右壁を登って越えました。

二股に出会うと距離的にはもう終盤。支流出合の滝(ロープスケールで2段30m)は多くのパーティがスルーしているようですが、見上げてみると登れそうなので登ってみることに。もし本流に戻れなくても支流をそのまま遡れば林道に出られるし、支流と本流の間の尾根をたどるのも選択肢として考えていました。

下段15mは巻けますがあえて水流沿いをフリーで。めちゃくちゃヌメって怖かった…

テラスより登攀開始。右上して流れをわたり、洞窟っぽくなっているところのチョックストーンにスリングをかけてA0。その上でもカムでA0してしまいましたが、技量ある人ならフリーで登れると思います。支点はカム、チョックストーン、細い灌木を利用。本格的な滝の登攀は実はこれが初めてで、思い出に残る滝となりました。

その上にも小滝が2つあり、それらを越えた後、出合滝の頭まで斜面を巻いて戻り、落ち口からは灌木を支点に懸垂して帰着。30mロープ折り返しでギリギリちょうどでした。

F6。支流の滝に時間をかけてしまったので、そろそろ急ぎ足で…と思っていたもののこれが悪く時間をくうことに。

いろいろ試行錯誤したものの左巻きが案外悪く断念。右壁をショルダーで自分が上がることにまず成功。次にロープFIXで後続が上がろうとするもののロープの伸びでやりづらく断念。結局水流沿いをビレイしながらお助けスリング頼りに突破してもらい、全員上がることができました。

↑水流をくぐり、お助けスリングを頼りに登る

最後の滝、F7。そろそろ下山遅れになるのでさっさと通過。これはたしか左巻き

F7を越えるとすぐに橋が出てきて遡行終了。帰りは林道下山というお手軽さが有難かったです。

「愛郷の森」のお隣、池田牧場でジェラートをいただき、お土産を買って帰りました。

 

よかった点

  • 予報が悪い時点でインドアジムの案も出たが沢を諦めなくてよかった。大きな経験を積むことができた→山域の違う候補を複数もっておくと悪天時に右往左往しなくてすむ
  • 学生時代と同じ場所に行くことで成長を感じられた→後半に時間がかかったので学生時の敗退判断は正しかったと思う
  • 出合滝の登攀で思い切ってリードに手を挙げたことでより充実の山登りとなった。滝の登攀経験を積むことができた→滝の登攀はギアをたくさん使うので登攀前提の計画であればギアを増やした方がいい
  • 全体的に滝の登攀で安定感があった。ジムトレの効果が出ていると感じた

反省点

  • 時間の見積もりが甘く下山遅れになりかけた→自分は沢ではあえて遊んで時間がかかる傾向にあるのでそれを見込んでスケジュールをたてること
  • 支流出合滝の登攀中にカラビナが足りなくなり、マイクロトラクションにつけていたカラビナを利用するためにマイクロトラクションを外してカッパのポケットに入れたがこれが大失敗。実はポケットに穴があいておりマイクロトラクションを紛失する羽目に→カラビナは余裕をもって用意すること、ギアを適当にしまわないこと、ポケットを過信しないこと

時間記録

9:10 入渓~10:00 F1~13:20-14:55 出合滝登攀~16:25橋(遡行終了)~17:05 駐車地帰着

 

まとめ

渋川は登りごたえある滝がコンパクトにまとまっていてトレーニングによい沢でした。ゴルジュ突破は緊張感がありますがそれを越えたときの達成感はクセになるものがありますね。出合滝の登攀はなかなか怖いものがありましたが、慣れの部分もあると思うので今後経験を積んでいきたいです。

 

計画の参考にさせていただきました↓

sawagurui.com