奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

2023年11月後半~12月の岩まとめ(人生初11a!)

実は年明けに書いているシリーズ第3弾で、今年のフリークライミングまとめです

11/24 椿岩
御在所に続き山梨の仲間と。晴れ続きで今シーズン一番岩が乾いておりフリクションがよく感じました。が、クライミング能力では自分より数段上のはずの仲間が「足が信用できない」と苦戦していたので、岩質慣れというのはあるのだなと思いました。

・アスレチッククラブ 5.9 ○
・マタマタ 5.10c ××○ ←10c2本目!
・マリエンタール 5.10b ×TR

以下、マリエンタールのムーブメモ
穴ガバの下を右手の逆手でもって左手をもつ。左手は穴に入れずにその上の面と穴とでピンチな感じでもつ
左足をきって右足を穴ガバの下にいれて右手をのばしとりにいく
左足をおもいっきり上げる
右足をあげる
体勢直しながらあがって最後はクロスで左手を出してガバへ
終了点は左側にまわること

11/29 横谷の岩場

ガイドの先輩に久々の横谷の岩場に連れて行ってもらいました。コロナの間にフリールートが増えたそうで、時代を感じるルート名が印象的でした。岩質は風化花崗岩というらしく、確かに風化を感じます。足がかけて1回不意落ちしたのには焦りました。

・エナちゃんハーイ 5.9 mFL ミニハング越えが楽しい。
・アマゴ 5.10a mOS 出だし核心。濡れていて焦ったが登れた。上部はほどよいスラブ。
・ワクチン 5.10d × ハング越え後のクリップが恐怖。上部スラブでA0してとりあえず抜けた。
・オンライン 5.10b mOS ハング越え核心。伸びあがるとガバがある。
・ワクチン 5.10d ×○ 足がかけて1回フォール。気を取り直して再度挑戦、完登。一応これでグレード更新だがやや左に逃げたので実は10cくらいか?
・オーバーシュート 5.10d × 出だしから全然できず
・ステイホーム 5.10b × 出だしボルダー。1ピン目かけたところで次のガバに手が出せず敗退。

12/8 椿岩

そろそろ11a触りたいと思いつつ、まだマリエンタール5.10bが登れていないのでまずはそちらへ。これが作戦ミスでマリエンタールは登れず、腕力もそれで終わってしまい散々でした。とはいえ椿岩の11aは2本あるもののどちらも出だしがカブっており厄介そうで、手を出せなかった自分の実力がそれまでだったといえばその通りかもしれません。前日の小雨のせいか、南から湿った風が入ったせいか全体的にぬるい風がふいておりぬめりを感じる1日でした。
・アスレチッククラブ 5.9 ○アップ
・マリエンタール 5.10b ×△××
1回目:手切って2ピン目で下降
2回目:一回落ちるもできた
3回目:テンテン、左手がしっくりこない
4回目:ヨレていて不可。下りながらトンキーハンテンにTRをかける
・トンキーハンテン 5.10b TR
ボルダリー。プリクリ棒が欲しい。上は楽。

マリエンタールメモ:左手の持ち感を探る→右手をしっかり持つ→一気に左足をあげる→右足あげて踏む→左足を出す

12/18 白嵓
マリエンタールに未練がありましたが、そろそろ椿岩が寒そうなので白嵓へ。10月に見つけた巨大スズメバチの巣は東さんが落としてくださったという情報があり、今後は右側のルートも触れるかなと思いましたが、まだハチの残党がウロウロしていたのであまり右側には寄らず。
・まっ黒クロスケ 5.10a 再登
10月に登った際ヌメって気持ち悪かったのでいまなら快適に登れるかと思ったが、そうでもなかった。下部が微妙。
・仙人掌 5.10a RP
一年前にTRで触り可能性を感じていた課題。ハング越えの足の乗り込みが辛かったが、「(パンプするこのルートを)もう一度やくたくない!」との一心で声を出してクリア。充実の1本となった。
・ヤボテン 5.10b ×→RP
サボテンの途中から分かれて右上していくルート。
分岐すぐのトラバースが分からなかったが、最近触っていた椿岩のマリエンタールのクロス取りがヒントとなりムーブを見つけることができた。落ち着いて見れば足もある。トラバースの後にピンが遠くメンタル核心な気がする。実際一度落ちて振られヒヤッとしたが、もう一度やってクリア。その後はガバを掴んで登る。パワー系だがサボテンほど辛くないので、やはりトラバース核心な印象。しっかり休んで2本目でRP。クイックドローの回収が大変だった…。それはともかく、10bを2トライで登ることができ自信をつけることができた。
・寄り道 5.11a TR
11aを体験したくTRを張ってもらってトライ。前傾壁のパワー系。ところホールドが遠くリードするイメージはもてず…。腕のトレーニングにはなった。


12/20 白嵓
本当は別の予定が入っていたのですが1度それをキャンセル後、急遽予定変更で出かけられることになり、白嵓へ。念願の11aをRP!!
・寄り道 5.11a
TR1回目
この日の目標を定めておらず、アップに簡単なルートを触ろうか迷ったが、この日は前夜の雨の乾き待ちで遅めの時間に岩場に着いたこともあり、時間が惜しかったのと話の流れでTRをかけてもらえたので取り付くことに。
1ピン目周辺の左手で水平クラック内の小さな突起をつまみ右手を出すところで早速つまるが、左手に使うホールドで、前回使ったものよりいいものが見つかり解決。
2ピン目上の遠い右手出しはアンダーから一気に飛び出すことで解決。3ピン目を越えて終了点手前の左に移るところは、前回よりさらに左側を探ったところいいホールドが見つかり新しいムーブが構築でき解決。
…これ、頑張ったらいけるんじゃないか?という気がしてくる。
TR2回目
1回目のムーブを繋げることを目標として取り付くが、2ピン目上の遠い右手出しができなくなりハマる。正対で伸びあがっているのをカウンターバランスでスタティックなムーブに変えてみるが、右手は届くがパツパツでその後動けなくなる。
かなり試行錯誤した末、結局正対でもそろりそろりと伸びあがれば右手は普通に届くことに気づき解決する。あまり覚えていないが、たぶん左足を切らずにちゃんと踏ん張るのがコツだったような。あとは右手を伸ばして下から弧を描くように出すとよかった。
ちなみにその上の次の右手も遠いが、これは気合いで毎回取りにいっていた。
…次はリードだなと思って下りる。
RP
とりあえず高度感に慣れるつもりで、どうせテンションは入るだろうけど…というつもりで取り付く。
1ピン目、2ピン目まで順調。その辺でおっ、まだ落ちてない?と気づくが色気を出すなと自分に言い聞かせる。
2ピン目上の遠い右手出しも成功。そのあとの足のおき直しが気持ち悪いがこれもうまくいき、3ピン目をかけ気合いで遠い右手を取る。とれた! 思わず声が出た。
左にうつるところで初めてレスト。このあとも苦しい数手があったが、無事にこなして終了点にクリップ。できた!?
もう1日くらいかかるだろうと思っており、まさかこのトライでできるとは思っていなかったので自分でも驚いた。

かつて東大スキー山岳部は11代が登れないと山に行かせてもらえなかったという話を聞いてから、アルパインの土台としてフリーで11を登りたいと思っていた。ネパールから帰ってボロボロの体のリハビリがてらボルダリングジムに通うようになり、今年はフリークライミングをやろうと決心(メンタルのすり減るような大きな山に疲れていたというのもある)。夏まではボルダリングジムで登り、残暑の頃はリードジムに行き、秋から本格的に外岩へ。当初は今年は10b登れれば十分と思っていたがそれを早々に達成してしまい、ひそかに次の目標として11aを登ることを考えていた。ので、これにて目標達成。初めての11aがしっかりと内容のあるルートでよかったと思う。これで山にいけるという気持ちもあり。

・道普請は慌てずに 5.10c TR
まだそれほど疲れていないつもりだったが実際取り付いてみると全然ダメで各駅停車。特にコルネ状の上の右手ガストンが全然もてず、未解決。その上の岩の雰囲気が変わってからもパワフルな感じで疲れた体には辛かった。フレッシュなときにぜひやり直したい。終了点がカラビナ1枚だったのでボルトについているリングにかけ変えして下りた。次は残置ビナを1枚用意して足した方がよさそう。


12/30 名張
ブログにはあげていませんでしたが9月に1度、ひさしぶりに名張に連れて行ってもらっていました。そのときはサニーサイドのこれなんですか5.10aで1時間くらい宙づりとなり散々だった覚えがあり、あまりにクラックから離れすぎていてどうかなと思っていたのですが、フェースで体幹が鍛えられたのか思っていたより登れました。
・クラックベイビー 5.7
1回目TR、2回目TRでカム練習しつつ、3回目リードRP(再登)
メモ:カムは手持ちのトランゴ1セットでいける。トランゴ1と9は使っていない
名張入門 5.9 TR×2回

名張入門ムーブ
出だしはサーフライダーから取り付く
名張入門に乗り移るとき注意
最初は右差しで上にあがる
クラックがまだ広いうちに両方差して方向転換
Tスタックであがっていく
最狭部の上にハンドが決まればそのまま正対で上がる(ここもう一度右差しだったかも?要確認)
右のホールドに手が届くがそこから数点まだ正対であがる
すると右のホールドに足が届くのでそうすれば右手がガバに届く
ガバを頼りに足をあげてゴール

ギアメモ:

カムが歩かないようにするためにクイックドローを使う
トランゴはスリングがのびるのでそれでもよい。本体が動かなければよい

クラックベイビーはクイックドロー使わずにリードしたが、スリングの延長やカラビナの方向転換で時間かかったので、クイックドロー使った方がいいのでは

 

ということで下半期は人生初の5.11aというグレードが登れたことが大きなトピックでした。↑にもいろいろと書いていますが、インスタの方でも当時の心境をまとめています。今年の夏は沢登りを一切やめてジム通いを続けるなどある程度他のものを犠牲にしていただけに、年内かけこみでひそかな目標が達成でき、報われたシーズンとなりました。

 

www.instagram.com