大台ヶ原「緑の尾根」ルートで人知れず美しい森に出会う
5/14(金)、大台ヶ原のマイナールート「緑の尾根」を歩いてきました。
2019年秋に大杉谷を2泊3日でゆっくり歩いた際、粟谷小屋で出会った一枚の地図でこのルートの存在を知りました。単純ながらユニークな名前が印象に残り、その際入り口だけは確認しいつかは再訪をと思っていたのですが、2年越しでようやく訪れることができました。
ルートの場所としては大杉谷最上部のシャクナゲ坂の一本南の尾根となります。日出ヶ岳よりシャクナゲ坂を下り、途中から谷をトラバースして尾根を乗り換え、登り返してくるような形の周回ルートとなります。
時期的に少し早く一面の緑というわけではありませんでしたが、要所要所で新緑と苔が美しく、いつもと違った静かな大台ヶ原に出会えました。
まずは大台ヶ原駐車場より通いなれた道で日出ヶ岳に登り、大杉谷の分岐に入りどんどんと下っていきます。今年はどのお花も花付きがよく、この日のシャクナゲ坂も見事なシャクナゲの連続でした。
途中、樹林の隙間から日出ヶ岳方面が展望できました。右のこんもりしたピークが日出ヶ岳。画面からはみ出ていますが、左の濃い緑の尾根がこの後歩く緑の尾根ルートの一部です。
シャクナゲ坂を下りきり、薄い踏み跡にそって緑の尾根ルートに入ります。途中、至近距離でアナグマに遭遇。びっくり!
尾根ルートといっても最初は苔の美しい小沢を遡っていきます。
屋久島のようなこの景色だけでも一見の価値ありですね。
登りきったところが「シャクナゲの森」コル。ついでなので、ここからこれまたマイナーピークのテンネンコウシノ高を往復します。
少し岩稜っぽいところもありました。
テンネンコウシノ高頂上。古い標識がいい味出してます。
コルに戻り、尾根ルートに向かって斜面をまわりこみます。
伐採跡地に出ると展望がひらけます。ミネコシ谷の向こうに地池高(右のピーク)の崩壊斜面が目立ちます。
白骨化した切り株たち。かつてここは巨樹の森だったのでしょうね。
尾根をまわりこんでいくといよいよこれからたどる緑の尾根方面が見えてきました。左の尾根が緑の尾根。右が下ってきたシャクナゲ坂の尾根です。正面の切れ込みがミネコシ谷で、これからこの流れを渡ります。
振り返ったところ。正面やや左がテンネンコウシノ高です。
裕嵓と呼ばれる岩場の横を過ぎて、足元が崩れやすくやや歩きづらいトラバースをこなしてミネコシ谷に降り立ちます。
ミネコシ谷の清流を飛び石で渡渉。このあたりも新緑と苔が美しかったです。この日は水量も少なく楽に渡れました。テープと踏み跡を見極めて対岸の尾根=緑の尾根に登り返します。
5月ということで緑はまだこれからでしたが、巨大な切り株から芽吹く新緑などユニークな景色を見ることができました。
シャクナゲ帯をこえると笹原の中に出ます。夏はここがまさに“緑の尾根”になるのでしょうね。
やがて大杉谷からの登山道と合流し、再び日出ヶ岳に戻って念願の緑の尾根探訪を終えました。