奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

【山行記録】御在所岳・3ルンゼでアイス始め

昨シーズンからアイスクライミングにハマり、今シーズンも氷を求めて鈴鹿山系の御在所岳へいってきました。あまりいくことのない山域なので、自分の振り返りとして記録を残しておこうと思います。氷の発達状況は例年ほどではないようですが、いいシーズンインとなりました。

注意事項

御在所岳周辺は頻繁に状況が変わります。2008年9月には集中豪雨で土砂崩れが発生し地形が大きく変わりました。2018年8月には湯の山かもしか大橋が開通しました。御在所岳に限りませんが、登山にお出かけの際は、参照している記録や記事がいつ頃作成されたものなのか、確認することを強くおすすめします。

時間記録

山行実施日:2019/1/16(火)

7:30 蒼滝駐車場発~8:00 裏道登山道入り口~8:50 藤内小屋~10:00 藤内壁出合~11:20 3ルンゼの氷瀑到着~15:15 3ルンゼ発~15:30 ロープウェイ乗り場

山行記録

御在所岳のアイスクライミングエリアへのアプローチは裏道登山道が一般的なようです。無雪期であれば、国道477号線(旧鈴鹿スカイライン)を利用して登山口まで入れますが、例年12月~4月頃まで国道477号線は冬期通行止めとなります。そのため、マイカー利用の場合はどこかに車をとめて車道を歩き、アプローチする必要があります。

今回は蒼滝駐車場を利用しました。

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公衆トイレもあり便利です。入口には「登山者歓迎」と書いてありうれしかったです笑 ここが満車の場合は、ロープウェイ駐車場(有料)が利用できます。

蒼滝駐車場からは、小道をたどって湯の山かもしか大橋へ出て、裏道登山道入り口まで約30分でした。

登山道入り口からは、夏道通り藤内小屋を経て藤内壁出合へ向かいます。藤内小屋はトイレあり。藤内小屋と藤内壁出合との間に水場がありました。藤内壁出合の看板より、登山道を外れます。今回はここでアイゼン、アイスアックス、ヘルメット、ハーネスを着用。

藤内壁出合から先は地形が細かく複雑です。今回は3連休後ということもあり、トレースが明瞭についていて助けられましたが、初見・ノートレースではかなり迷ったと思います。

ガイドブックの概念図は非常に役立ちました。

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ポイントとしては、

  • テスト岩で1ルンゼと藤内沢本流(2ルンゼ、3ルンゼ方面)が分岐する
  • 藤内滝は左から一旦尾根にあがって巻く
  • マイナスの滝(2ルンゼ出合)は結構地味なので見落とさないよう注意
  • 2ルンゼ分岐後も2か所ほど滝を巻くところがある
  • 雪の付き方により結構いやらしく感じるので、スリングなどすぐ出せるよう用意しておくと便利。
  • 3ルンゼ出合を見落とすと、本流を突き進んで前尾根にいくので注意

といったところでしょうか。

3ルンゼの氷瀑はほぼ稜線に近いところにあります。今回は氷結状態はあまりよくありませんでしたが、他パーティと譲り合って2本ロープを張ることができました。上部の支点は残置カラビナ、木、スクリューなどを利用。

傾斜は緩く登りやすく感じました。

夕方まで登り、そのまま3ルンゼ本流をつめて山上公園に出て、ロープウェイにて下山しました。氷瀑を登りつめて小さな尾根に出て山上公園に抜けることもできるようですが、こちらはロープが必要そうに見えました。山登りとしては面白いと思いますが、時間的には歩いてルンゼをつめた方が早そうです。

3ルンゼから山上公園のロープウェイ乗り場までは約15分と非常に近く、下降点を把握しているのであれば、ロープウェイを利用して上から下りた方が時間的にも体力的にも有利だと思います。ただ初見で下降点を見つけるのは難しく、失敗したときのリスクを考えると一度は下から登って概念を把握するべきだと感じました。

ロープウェイを利用してアプローチすることを、ガイドブックによると「ヨーロッパスタイル」というらしいです笑

ロープウェイは冬期、最終便の時間が早まり16:20となるので要注意。また、風が強い時など運休する場合があるので、ロープウェイを完全にはあてにしないほうがいいです。

3ルンゼ上部は傾斜が強く、雪の状態が悪い時の下降は怖いと思います。上へ抜けて中道で下山してしまった方がいいかもしれません。そこらへんは時間や天候、パーティの好みによりますね。

写真集

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 蒼滝駐車場。トイレあり。

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道中、カモシカに遭遇!

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 国道477号線より、これから向かう御在所岳

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 藤内小屋の先より、藤内壁方面。

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 途中にあった水場

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 藤内壁出合。ここから登山道を外れます。

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 落ちたらただではすまないところ多数

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 上部は結構急峻です

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 3ルンゼの氷瀑

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 ワタクシ登ってます

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 3ルンゼ全景。氷瀑はまだまだ大きくなるそうです。

まとめ

奈良の我が家から約3時間とイメージより案外近く、岩っぽいアルペン的なロケーションが楽しめるいい山でした。

技術が上がれば1ルンゼ、2ルンゼや前尾根にからめての登攀など、アイディア次第でさまざまなクライミングが楽しめそうです。距離的に毎週通うという場所ではありませんが、技術をあげて再訪したいと思います。