コアジサイ咲く白屋岳へ
本日はコアジサイ咲く白屋岳をご案内しました!
おおたき龍神湖の眺めが美しい旧白屋集落から、伊勢参りの道をたどって白屋岳を越え、コアジサイ群生地を目指しました。
前夜の雨もあり先行者にはヒル被害があったようですが、私たちは忌避剤はじめ各種対策のおかげでノーダメージでした。
登山道は新たに伐採された箇所があり、これまであまりなかった南側の展望も得られました。いつも通り上部の伐採地でランチ休憩。ここからは川上村高原の集落とその上にそびえる大天井ヶ岳の組み合わせが見事でした。
コアジサイの開花は例年より早いかと思いきやむしろ遅いくらいで、まだしばらく見ごろが続きそうです。
コアジサイの魅力はその可愛らしい見た目もさることながら、ほのかに甘い香水のような香りにあると思うのですが、こればかりは写真ではお届けできません。ぜひ実物をご覧いただきたいものです。
ダイトレ北部縦走(大和葛城山~二上山~どんづる峯)
6/8(火)、大阪府と奈良県境にまたがるダイヤモンドトレール(略してダイトレ)の北部を縦走してきました。今回は奈良県側から入り、大和葛城山~岩橋山~竹内峠~二上山~ダイトレ北入り口~どんづる峯~二上山駅まで、約20kmを8時間で歩きました(ダイトレ全体の約1/3にあたります)。
先月、初めてのコンカツ(笑)で葛城山と金剛山を歩き、ダイトレを一気に縦走したら面白いだろうなと思うようになりました。今回はその下見ということで、道の様子や距離感を把握することが主な目的でした。
ログはYAMAPに載せています。こちらは写真多め。
今回は縦走となりスタートとゴールが異なるため、終点の二上山駅近くのコインパーキングに車を停め、電車とバスで葛城山登山口(葛城ロープウェイ前バス停)まで移動し出発。
ロープウェイ駅の横から山に入り、くじらの滝コースでまずは山頂を目指します。くじらの滝コースは2017年の台風21号による被害のため途中が迂回路となっていますが、階段が多く整備された道が続き、歩きやすかったです。
トラロープ越しに櫛羅(くじら)の滝。変わった名前だなと思っていましたが、そもそもは別の字だったようです。
昔、弘法大師がこの地を巡錫し、天竺のクジラの滝によく似ているので、供尸羅(くじら)と名づけた。
供尸羅の供尸という字は「供に屍」と書くのはいけないとあって、領主の永井信濃守が供尸の二字を櫛と改めたという。
順調に高度を上げ、ロープウェイ山上駅近くの葛城天神社にお参りしてから山頂へ。
前回は霧の中でしたが、今回は金剛山の眺めがよかったです。
山頂で写真を撮っていただきました。今回は身軽に、水・食料込みでスタート時約7kgと軽くしました。
ここからいよいよダイトレを北上します。自分にとって快適な普通のペースで歩いた上で、コースタイムとどの程度の差が出るかということを意識し、時計をしっかり見ながらいきます。
ところどころ、キイチゴが豊作でした。
岩橋峠~岩橋山の急な階段には驚きましたが、他は基本的に歩きやすいなだらかな道が続きます。トレランスタイルの人も複数見かけました。
平石峠でランチ休憩。ここには役小角が法華経八巻二十八品を埋納したとされる葛城二十八宿の二十四経塚があります。「行場はきれいにする」の文字がなんだかかわいくて和んでしまいました(笑)
要所要所にダイヤモンドの形を模した石柱があり、安心感があります。
古くから交通の要所で、聖徳太子も通ったと言われる竹内峠を通過。
竹内峠から先、現在のダイトレはいったん大阪側に下って再び二上山へ登り返してくる形となっています。なぜ直線的に県境を通らないのか不思議で、ここはあえて県境ルートを行ったのですが、ダイトレと違って草刈りがされておらずなかなかの薮でした。これは盛夏は大変そうです。帰宅後調べたところによると、以前はこちらがダイトレだったようで、旧ダイトレと現在は呼ばれているようです。
二上山の登りで、今日たどってきた道を振り返る。この山々を全部自分の足で歩いてきたんだ!という感覚が縦走の醍醐味ですね。
二上山は双耳峰となっており、まずは雌岳に到着。標高的にはこちらの方が低いですが、眺めはいいです。日時計がユニークですね。その後雄岳もピストンして、現在のダイトレに戻ります。
聖徳太子に何をさせているのか(笑)
ちょうどササユリが見ごろでした。
ダイトレ北入口まであと約1時間というところで左膝の痛みが出てしまい、慎重に下ります。ここにきて容赦ない階段地獄が応えます…。
右上のコブが二上山雄岳ですが、採石場として中腹はかなり切り拓かれています。歩きながら二上山以北のダイトレはなんだか不自然なルートどりだと感じていたのですが、以前はどんづる峯から直線的にほぼ県境を通って二上山に至る旧ダイトレルートがあったものの、工事現場と被ってしまい危険だということで変更された経緯があるようです。
ずいぶん長く感じた1時間が終わり、ダイトレ北入口に下山完了。あとは駐車場まで車道を歩きます。
途中、穴虫峠の薮の中にお地蔵さんがまつられていました。車だとまったく気づかないような場所でしたが、昔は多くの旅人がここで立ち止まったのでしょうね。
北入口から10分ほどでどんづる峯に到着。ダイトレの起点碑はここにあります。
ダイトレのコースには含まれていませんが、せっかくなのでどんづる峯を少し見学。二上山の火山活動によって生まれた奇岩とのことです。ここだけ異世界のようでした。不思議ですね~
駅近くの駐車場までは交通量の多い車道ですが歩道がないところもあり、ちょっと怖かったです。安全なアクセスが整備されて欲しいものです。グーグルマップに従って歩道をつなぎ、無事車に戻って行動を終えました。
8時間程度の行動で膝が痛くなるというのはちょっとショックでしたが、やはり階段の多さ故でしょうか。足元が山用ではないランニングシューズというのもあるかもしれません。
また暑さもかなり応えました。ザックにつけた温度計でスタート時~葛城山山頂~平石峠までは25℃、雌岳で30℃、車帰着時で35℃でした。この日の予想最高気温は30℃程度だったため、下山時に35℃となっているのはアスファルトの照り返しもあったのかもしれません。体感としてはお昼を過ぎてから空気がはっきりと温くなり、雌岳頂上では脱水感がありました。行動中は水を2.4L飲み(1時間あたり300ml計算)、下山後も600mlほど飲んでようやく落ち着きました。雌岳までは1時間あたり200mlくらいしか飲んでいなかったため、それがよくなかったようです。
結局のところ歩行ペースはコースタイムより若干早いものの、休憩を考慮するとほぼコースタイム通りとなったため、ダイトレを通し(どんづる峯~槇尾山)で歩く場合には疲労の蓄積を考慮するとコースタイム通り22~24時間近くかかることになりそうです。どんな形で歩くのがよいか、今回を踏まえて考えてみたいと思います。
時間記録
9:00 ロープウェイ駅発~10:20 葛城天神社~10:40 大和葛城山山頂 11:00~11:35 山麓公園分岐~12:25 岩橋峠~13:00 平石峠(ランチ) 13:20~13:55 竹内峠~14:25 雌岳~14:50 雄岳~15:00 馬の背~15:55 ダイトレ北入口~16:05 どんづる峯 16:20~16:50 二上山駅近くの駐車場
山の神の日
昨日6/7は「山の神」の日でした。
奈良県川上村では毎年1月7日、6月7日、11月7日が山の神の日です。
山の神様が山の木の数を数える日とされていて、この日だけは誰もが山仕事を休みます。もし山に入ると、木に数えられ二度と山から出られなくなってしまうのだとか。
古くから山に生きてきた林業地ならではの行事ですね。同じ山をフィールドとしていても登山でこのような話を聞いたことはあまりないのですが、自分も山の神の日は入山を控えるようにしています。
お祭自体は祝詞をあげるともう終わりのため、2分で終了。なんでも「日本一短い神事」らしいです(笑)
集まる機会が減った昨今、短時間ではありましたがひさしぶりに出会えた人もいてよかったです。
今年もこの日を無事に迎えることができました。あと半年も無事に過ごせますように。
大台ヶ原「緑の尾根」ルートで人知れず美しい森に出会う
5/14(金)、大台ヶ原のマイナールート「緑の尾根」を歩いてきました。
2019年秋に大杉谷を2泊3日でゆっくり歩いた際、粟谷小屋で出会った一枚の地図でこのルートの存在を知りました。単純ながらユニークな名前が印象に残り、その際入り口だけは確認しいつかは再訪をと思っていたのですが、2年越しでようやく訪れることができました。
ルートの場所としては大杉谷最上部のシャクナゲ坂の一本南の尾根となります。日出ヶ岳よりシャクナゲ坂を下り、途中から谷をトラバースして尾根を乗り換え、登り返してくるような形の周回ルートとなります。
時期的に少し早く一面の緑というわけではありませんでしたが、要所要所で新緑と苔が美しく、いつもと違った静かな大台ヶ原に出会えました。
まずは大台ヶ原駐車場より通いなれた道で日出ヶ岳に登り、大杉谷の分岐に入りどんどんと下っていきます。今年はどのお花も花付きがよく、この日のシャクナゲ坂も見事なシャクナゲの連続でした。
途中、樹林の隙間から日出ヶ岳方面が展望できました。右のこんもりしたピークが日出ヶ岳。画面からはみ出ていますが、左の濃い緑の尾根がこの後歩く緑の尾根ルートの一部です。
シャクナゲ坂を下りきり、薄い踏み跡にそって緑の尾根ルートに入ります。途中、至近距離でアナグマに遭遇。びっくり!
尾根ルートといっても最初は苔の美しい小沢を遡っていきます。
屋久島のようなこの景色だけでも一見の価値ありですね。
登りきったところが「シャクナゲの森」コル。ついでなので、ここからこれまたマイナーピークのテンネンコウシノ高を往復します。
少し岩稜っぽいところもありました。
テンネンコウシノ高頂上。古い標識がいい味出してます。
コルに戻り、尾根ルートに向かって斜面をまわりこみます。
伐採跡地に出ると展望がひらけます。ミネコシ谷の向こうに地池高(右のピーク)の崩壊斜面が目立ちます。
白骨化した切り株たち。かつてここは巨樹の森だったのでしょうね。
尾根をまわりこんでいくといよいよこれからたどる緑の尾根方面が見えてきました。左の尾根が緑の尾根。右が下ってきたシャクナゲ坂の尾根です。正面の切れ込みがミネコシ谷で、これからこの流れを渡ります。
振り返ったところ。正面やや左がテンネンコウシノ高です。
裕嵓と呼ばれる岩場の横を過ぎて、足元が崩れやすくやや歩きづらいトラバースをこなしてミネコシ谷に降り立ちます。
ミネコシ谷の清流を飛び石で渡渉。このあたりも新緑と苔が美しかったです。この日は水量も少なく楽に渡れました。テープと踏み跡を見極めて対岸の尾根=緑の尾根に登り返します。
5月ということで緑はまだこれからでしたが、巨大な切り株から芽吹く新緑などユニークな景色を見ることができました。
シャクナゲ帯をこえると笹原の中に出ます。夏はここがまさに“緑の尾根”になるのでしょうね。
やがて大杉谷からの登山道と合流し、再び日出ヶ岳に戻って念願の緑の尾根探訪を終えました。
お庭でツェルト泊。練習記録と改善メモ
最近UL(ウルトラライト)ハイキング関係の本や記事を読むのがマイブームです。その中でツェルトを簡易テントとして使用し軽量化するという話があり、ここ数年はツェルト泊から遠ざかっていたため、ひさしぶりにやってみようかと思い、手ごろな我が家のお庭で決行してきました。学生時代は雨の中ツェルトで連泊や稜線でツェルト泊なんてこともやっていましたが、もうその記憶も薄れつつあり、そろそろ使っておかねば感覚を忘れてしまうという気持ちもありました。
基本の張り方をYouTube動画で復習して設営。いまはわかりやすい動画がたくさん上がっているので便利ですね。今回はこちらを参考にさせていただきました。ちょっと長めですが細かいポイントがたくさん紹介されており勉強になります。
中の様子。
寝袋を使えば暖かく眠れることはわかっていましたが、どれくらいの気温でどう感じるかという感覚を養いたかったので、試しにシュラフカバーだけで寝てみることにしました。
23時に家から出て就寝したのですがシュラフカバーだけでは寒く、ちょくちょく目が覚め4時に観念し、寝袋に入って再度就寝。朝日があたると逆に暑すぎて目覚めました。やはりシングルウォールは断熱性ほぼないですね…。
寝袋はモンベルのULスーパーストレッチダウンハガー#3で、快適睡眠温度域が0℃~、使用可能限界温度が-10℃のモデルです。ただしもう10年以上使用しているので、性能が低下している可能性はあります。
温度は就寝時の23時で外気温・ツェルト内ともに20℃、4時で外気温15℃、ツェルト内18℃でした。寝袋のスペックからすると余裕ですね。実際、寝袋に入ってからは朝まで爆睡でした。ちなみに家の中は23時で25℃、4時で23℃でした。さすがに家は断熱性ありますね(笑)
その後、簡易テントとして積極的な使用を想定して以下の改善を行いました。
まずは補助ループを追加。↑の動画にありますが、場所によっては地面が固くペグが打てない場合があったり、冬に手袋をしていると小さなループは持ちづらいので。
30cm×3mmのヒモをダブルフィッシャーマンズノットで固定。ツェルト上部の両端2か所、サイド左右の2か所、底部の四隅4か所の合計8か所です。手に取ったときツェルトの上下がすぐにわかるようにカラーを変えています。
太さは2mmでも多分問題ないと思いますが、家にあったものを使いました。
次に側面(サイドリフター)を張って内部空間を広げる用の張り綱を作成しました。サイズは適当です。そもそもの前後を張る用の張り綱は既製品を使用しています。
最後に結露で濡れた場合に水滴が漏れないよう防水バッグに収納。これまでは普通のスタッフバッグに入れていました。使用頻度が低いので特に問題なかったのですが、これを機に変更しました。
この写真の防水バッグの中に、ツェルト本体、張り綱、ペグが入っています。テントの体積と考えると驚異のコンパクトさですね。
重量はペグ込みで合計550gでした。ちなみに手持ちのアライテント・エアライズ1はペグ込みで1545gなので、約1kg差です。これを大きいととらえるか大したことないと考えるかは人それぞれですね。ツェルトは確かに軽量コンパクトですが、断熱性がほぼないので、その分防寒着があまり増えすぎるようでは本末転倒とも思います。
思いつきで急遽のお庭泊でしたがツェルトの感覚を思い出せてよかったです。いつもはお守り的に持っているだけで実際使うのは年に1,2回程度のため、こうしてたまには触った方が自信を持てていいなと思いました。あとは機会をみつけて実際山で泊まっておきたいところです。