奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

ダイトレ北部縦走(大和葛城山~二上山~どんづる峯)

6/8(火)、大阪府奈良県境にまたがるダイヤモンドトレール(略してダイトレ)の北部を縦走してきました。今回は奈良県側から入り、大和葛城山~岩橋山~竹内峠~二上山~ダイトレ北入り口~どんづる峯~二上山駅まで、約20kmを8時間で歩きました(ダイトレ全体の約1/3にあたります)。

先月、初めてのコンカツ(笑)で葛城山金剛山を歩き、ダイトレを一気に縦走したら面白いだろうなと思うようになりました。今回はその下見ということで、道の様子や距離感を把握することが主な目的でした。

chkch.hatenablog.com

ログはYAMAPに載せています。こちらは写真多め。

yamap.com

今回は縦走となりスタートとゴールが異なるため、終点の二上山駅近くのコインパーキングに車を停め、電車とバスで葛城山登山口(葛城ロープウェイ前バス停)まで移動し出発。

ロープウェイ駅の横から山に入り、くじらの滝コースでまずは山頂を目指します。くじらの滝コースは2017年の台風21号による被害のため途中が迂回路となっていますが、階段が多く整備された道が続き、歩きやすかったです。

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トラロープ越しに櫛羅(くじら)の滝。変わった名前だなと思っていましたが、そもそもは別の字だったようです。

昔、弘法大師がこの地を巡錫し、天竺のクジラの滝によく似ているので、供尸羅(くじら)と名づけた。
供尸羅の供尸という字は「供に屍」と書くのはいけないとあって、領主の永井信濃守が供尸の二字を櫛と改めたという。

櫛羅の滝 | 御所市

順調に高度を上げ、ロープウェイ山上駅近くの葛城天神社にお参りしてから山頂へ。

前回は霧の中でしたが、今回は金剛山の眺めがよかったです。

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山頂で写真を撮っていただきました。今回は身軽に、水・食料込みでスタート時約7kgと軽くしました。

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ここからいよいよダイトレを北上します。自分にとって快適な普通のペースで歩いた上で、コースタイムとどの程度の差が出るかということを意識し、時計をしっかり見ながらいきます。

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ところどころ、キイチゴが豊作でした。

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岩橋峠~岩橋山の急な階段には驚きましたが、他は基本的に歩きやすいなだらかな道が続きます。トレランスタイルの人も複数見かけました。

平石峠でランチ休憩。ここには役小角法華経八巻二十八品を埋納したとされる葛城二十八宿の二十四経塚があります。「行場はきれいにする」の文字がなんだかかわいくて和んでしまいました(笑)

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要所要所にダイヤモンドの形を模した石柱があり、安心感があります。

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古くから交通の要所で、聖徳太子も通ったと言われる竹内峠を通過。

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竹内峠から先、現在のダイトレはいったん大阪側に下って再び二上山へ登り返してくる形となっています。なぜ直線的に県境を通らないのか不思議で、ここはあえて県境ルートを行ったのですが、ダイトレと違って草刈りがされておらずなかなかの薮でした。これは盛夏は大変そうです。帰宅後調べたところによると、以前はこちらがダイトレだったようで、旧ダイトレと現在は呼ばれているようです。

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二上山の登りで、今日たどってきた道を振り返る。この山々を全部自分の足で歩いてきたんだ!という感覚が縦走の醍醐味ですね。

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二上山は双耳峰となっており、まずは雌岳に到着。標高的にはこちらの方が低いですが、眺めはいいです。日時計がユニークですね。その後雄岳もピストンして、現在のダイトレに戻ります。

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聖徳太子に何をさせているのか(笑)

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ちょうどササユリが見ごろでした。

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ダイトレ北入口まであと約1時間というところで左膝の痛みが出てしまい、慎重に下ります。ここにきて容赦ない階段地獄が応えます…。

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右上のコブが二上山雄岳ですが、採石場として中腹はかなり切り拓かれています。歩きながら二上山以北のダイトレはなんだか不自然なルートどりだと感じていたのですが、以前はどんづる峯から直線的にほぼ県境を通って二上山に至る旧ダイトレルートがあったものの、工事現場と被ってしまい危険だということで変更された経緯があるようです。

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ずいぶん長く感じた1時間が終わり、ダイトレ北入口に下山完了。あとは駐車場まで車道を歩きます。

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途中、穴虫峠の薮の中にお地蔵さんがまつられていました。車だとまったく気づかないような場所でしたが、昔は多くの旅人がここで立ち止まったのでしょうね。

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北入口から10分ほどでどんづる峯に到着。ダイトレの起点碑はここにあります。

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ダイトレのコースには含まれていませんが、せっかくなのでどんづる峯を少し見学。二上山の火山活動によって生まれた奇岩とのことです。ここだけ異世界のようでした。不思議ですね~

駅近くの駐車場までは交通量の多い車道ですが歩道がないところもあり、ちょっと怖かったです。安全なアクセスが整備されて欲しいものです。グーグルマップに従って歩道をつなぎ、無事車に戻って行動を終えました。

 

8時間程度の行動で膝が痛くなるというのはちょっとショックでしたが、やはり階段の多さ故でしょうか。足元が山用ではないランニングシューズというのもあるかもしれません。

また暑さもかなり応えました。ザックにつけた温度計でスタート時~葛城山山頂~平石峠までは25℃、雌岳で30℃、車帰着時で35℃でした。この日の予想最高気温は30℃程度だったため、下山時に35℃となっているのはアスファルトの照り返しもあったのかもしれません。体感としてはお昼を過ぎてから空気がはっきりと温くなり、雌岳頂上では脱水感がありました。行動中は水を2.4L飲み(1時間あたり300ml計算)、下山後も600mlほど飲んでようやく落ち着きました。雌岳までは1時間あたり200mlくらいしか飲んでいなかったため、それがよくなかったようです。

結局のところ歩行ペースはコースタイムより若干早いものの、休憩を考慮するとほぼコースタイム通りとなったため、ダイトレを通し(どんづる峯~槇尾山)で歩く場合には疲労の蓄積を考慮するとコースタイム通り22~24時間近くかかることになりそうです。どんな形で歩くのがよいか、今回を踏まえて考えてみたいと思います。

 

時間記録

9:00 ロープウェイ駅発~10:20 葛城天神社~10:40 大和葛城山山頂 11:00~11:35 山麓公園分岐~12:25 岩橋峠~13:00 平石峠(ランチ) 13:20~13:55 竹内峠~14:25 雌岳~14:50 雄岳~15:00 馬の背~15:55 ダイトレ北入口~16:05 どんづる峯 16:20~16:50 二上山駅近くの駐車場