奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

お庭でツェルト泊。練習記録と改善メモ

最近UL(ウルトラライト)ハイキング関係の本や記事を読むのがマイブームです。その中でツェルトを簡易テントとして使用し軽量化するという話があり、ここ数年はツェルト泊から遠ざかっていたため、ひさしぶりにやってみようかと思い、手ごろな我が家のお庭で決行してきました。学生時代は雨の中ツェルトで連泊や稜線でツェルト泊なんてこともやっていましたが、もうその記憶も薄れつつあり、そろそろ使っておかねば感覚を忘れてしまうという気持ちもありました。

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基本の張り方をYouTube動画で復習して設営。いまはわかりやすい動画がたくさん上がっているので便利ですね。今回はこちらを参考にさせていただきました。ちょっと長めですが細かいポイントがたくさん紹介されており勉強になります。

www.youtube.com

中の様子。

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寝袋を使えば暖かく眠れることはわかっていましたが、どれくらいの気温でどう感じるかという感覚を養いたかったので、試しにシュラフカバーだけで寝てみることにしました。

23時に家から出て就寝したのですがシュラフカバーだけでは寒く、ちょくちょく目が覚め4時に観念し、寝袋に入って再度就寝。朝日があたると逆に暑すぎて目覚めました。やはりシングルウォールは断熱性ほぼないですね…。

寝袋はモンベルのULスーパーストレッチダウンハガー#3で、快適睡眠温度域が0℃~、使用可能限界温度が-10℃のモデルです。ただしもう10年以上使用しているので、性能が低下している可能性はあります。

温度は就寝時の23時で外気温・ツェルト内ともに20℃、4時で外気温15℃、ツェルト内18℃でした。寝袋のスペックからすると余裕ですね。実際、寝袋に入ってからは朝まで爆睡でした。ちなみに家の中は23時で25℃、4時で23℃でした。さすがに家は断熱性ありますね(笑)

その後、簡易テントとして積極的な使用を想定して以下の改善を行いました。

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まずは補助ループを追加。↑の動画にありますが、場所によっては地面が固くペグが打てない場合があったり、冬に手袋をしていると小さなループは持ちづらいので。

30cm×3mmのヒモをダブルフィッシャーマンズノットで固定。ツェルト上部の両端2か所、サイド左右の2か所、底部の四隅4か所の合計8か所です。手に取ったときツェルトの上下がすぐにわかるようにカラーを変えています。

太さは2mmでも多分問題ないと思いますが、家にあったものを使いました。

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次に側面(サイドリフター)を張って内部空間を広げる用の張り綱を作成しました。サイズは適当です。そもそもの前後を張る用の張り綱は既製品を使用しています。

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最後に結露で濡れた場合に水滴が漏れないよう防水バッグに収納。これまでは普通のスタッフバッグに入れていました。使用頻度が低いので特に問題なかったのですが、これを機に変更しました。

この写真の防水バッグの中に、ツェルト本体、張り綱、ペグが入っています。テントの体積と考えると驚異のコンパクトさですね。

重量はペグ込みで合計550gでした。ちなみに手持ちのアライテント・エアライズ1はペグ込みで1545gなので、約1kg差です。これを大きいととらえるか大したことないと考えるかは人それぞれですね。ツェルトは確かに軽量コンパクトですが、断熱性がほぼないので、その分防寒着があまり増えすぎるようでは本末転倒とも思います。

 

思いつきで急遽のお庭泊でしたがツェルトの感覚を思い出せてよかったです。いつもはお守り的に持っているだけで実際使うのは年に1,2回程度のため、こうしてたまには触った方が自信を持てていいなと思いました。あとは機会をみつけて実際山で泊まっておきたいところです。

初めてのコンカツ ツツジ咲く葛城山&金剛山

5/19(水)、コンカツしてきました。

コンカツといっても婚活ではなく大阪府奈良県の県境にまたがる金剛山葛城山の二座登山のことです。初めて聞いたときはうまいこという人がいるものだと思いました。

葛城山では毎年5月上旬に咲く一面のヤマツツジが名物です。以前から見てみたいと思っていたのですが、チャンスをうかがっているうちに今年は異例の早さで梅雨入りしてしまい、お花も旬を過ぎかけているようであわてて行ってきました。

ログはYAMAPに載せています。

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青崩(あおげ)からまずは天狗谷道で葛城山を目指します。雨でも大峰や台高と違ってヒルの心配をしなくていいのは気楽ですね。LT(乳酸閾値)のトレーニングを意識して、ややきついペースで登りました。

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登山道は非常に歩きやすく、山頂までコースタイム2時間のところ1時間10分で到着。かなりの濃霧です。今回はスタート時16.4kgとボッカトレーニングを兼ねています。といっても、積雪期はいつも15kgくらい担いでいるので、あまり負担には感じませんでした。20kg背負うと登りでペースダウンするので、17~18kgくらいにしんどいラインがあるのかもしれません。

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山頂からツツジ鑑賞路に入り、お目当てのツツジ群落とご対面。といっても霧がすごく、視界一面に広がるツツジという景色は残念ながら見られませんでしたが…

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ツツジの色にも濃淡あり見飽きませんでした。やはりお花はシーズン終盤の雰囲気で、また来年以降リベンジしたいと思います。

ここからは稜線を繋ぐダイヤモンドトレールをたどります。丸太階段地獄をひたすら下っていきます。

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葛城山金剛山のコルである水越峠に到着。初めて来ましたが、思ったより殺風景で驚きました。

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水越峠のダイトレ碑。全長約45kmのロングトレイルとのことですが、いつかは通しで歩いてみたいものです。

水越峠の東屋でランチをとり、金剛山へ向かいます。こちらはVO2Max(最大酸素摂取量)のトレーニングのつもりでかなりきついペースで登ろうとしましたが、一人だとなかなか全力は出せませんね…。気づけば楽なペースに落ち着こうとしている自分がいます。

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金剛山は葛木岳、湧出岳、大日岳の三峰からなる山です。まずは一等三角点のある湧出岳頂上へ。

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続いて最高点である葛木岳を目指します。山頂周辺は神域となっており、一の鳥居をくぐると雰囲気ある森の中を歩いていきます。

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葛木神社に到着。この背後に金剛山最高点である葛木岳1125mがありますが、神域のため実際には立ち入りできません。

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お参りして、山頂広場の方へ下ります。売店はぎりぎり閉店後で見学のみ。

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こんな天気でもここまで来るとちらほら人がいるのはさすが金剛山ですね。

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あまりピークらしくない大日岳をピストンして、青崩道を下ります。

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上部は赤坂町石道(赤坂古道)とかぶっており町石がありました。

非常に歩きやすい道で快調に下り、コンカツ周回を完了しました。


雨予報は承知の上でしたがひさしぶりに終日雨の中で、なかなかくたびれました。また普段よりハイペースで歩いたせいか、帰宅後の空腹感がいつもよりありました。悪天候のおかげでほとんど人に出会わなかったのは静かでよかったです。最近購入したウェアのテストや、夏に向けて汗をかく練習にもなりました。やはり行ってみるといろいろと発見がありますね。

登山のトレーニング考 現状把握のための体力テスト

最近、こちらの本を読んでいます。

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昨年ネパールから帰国して、高所登山を目指す上での指針となるような考え方を学びたいと思っていました。著者の山本正嘉先生は東大スキー山岳部OB、現・鹿屋体育大学教授教授で、低酸素室トレーニングを活用した7,000m峰の短期登頂などを実践されています。前著の『登山の運動生理学百科』は学生時代に読んでいたのですが、大幅に増補改訂された本書に目を通すと、参考になる記述が随所にあり何故これをもっと早くに読んでおかなかったのだろうと思ってしまいました。

まずは現状の把握をするべく、この本の記述に基づいて体力テストを行ってみましたので、記録を残しておきます。

2つの体力テスト結果

同書を参考に、LTテスト(マイペース登高能力テスト)とVO2Maxテスト(全力登高能力テスト)を行いました。

LTテストは2021年5月10日、大峰・小塚の森~和佐又山間で行いました。体重の20%のザック(約10kg強)を背負ってマイペース(きつさを感じる手前の強度)で登り、結果は30分間で標高差249m上昇でした。本来は1時間登り続けるテストなのですが、地形の都合上30分間で行った数値を2倍して考えます。つまり1時間で標高差498m登りきる体力があるというになり、これは8メッツ強となります。

VO2Maxテスト(全力登高能力テスト)は2021年5月14日、大台ヶ原(大杉谷)のシャクナゲ坂で行いました。空身で15分間全力で登高し、標高差213m登りました。これは40ml/kg・分の能力となります。

※メッツ=運動の強度をあらわす指標。安静時が1メッツ。8メッツは安静時の8倍エネルギーを消費する運動ということ。

現状の評価と目標

2つのテストの詳細や意味はぜひ同書をご覧いただければと思いますが、簡単にはLT(乳酸閾値)が通常の歩行時の能力を示しており、岩登りや高所登山で局所的に激しい運動をする局面ではVO2Max(最大酸素摂取量)が使われるとのことです。

まずはLTの評価をします。

LTは通常の登山で7メッツ、バリエーション登山で8メッツが求められます。現状8メッツ強の能力があるので、これはクリアです。ただし、余裕をもって9メッツの力があればなおよしです。9メッツは体重20%のザックを背負って1時間で標高差540m上がる能力(あるいはトレイルランニング相当)ですので、現状の498mより42mアップを目指すべしとなります。

次にVO2Maxの評価です。

VO2Maxは20~30代の一般男性で40mlあり、バリエーション登山を目指す場合で50mlが目標値とのこと。つまり現状は一般男性の範囲であり、バリエーション登山を目指すには不足していることがわかります。これはショックでした…。目標値の50mlは15分間に275m登る力であり、現状の213mより62mアップを目指すべしとなります。

それぞれのトレーニング方法(案)

LTのトレーニングは登山そのものが最も適し、マイペースで登高すればよいとのこと。時間は60分以上が目安ですが、登山時間が通常数時間にわたるため、普通に登ればよさそうです。

ただ年間100日程度山にいく生活を既に何年も続けていますので、現状を何かしら変える必要はありそうです。ザック重量を増やすとか、登高速度をもう少しあげるといったことでしょうか。経験的には自分は高重量に弱いため、ボッカトレーニングを兼ねて行うのがいい気がしています。

VO2Maxのトレーニングは心拍数を一定以上に高められる運動であれば、走る・自転車をこぐなど種目を問わないとのこと。主観強度がきつい~かなりきついの間で20~30分ほどが目安です。我が家の環境では車道でのランニング、山で一区間だけ早歩きを行うといった方法がよいでしょうか。

今後の課題

上記のトレーニングを実際の生活にどう無理なく組み込んでいくかが今後の課題です。またコロナ禍もあり海外登山の予定はたてづらい状況が続いていますので、その手前の小目標をつくってどうモチベーションを維持していくかも考える必要があります。

 

※注意※

VO2Maxテストは非常に強い負荷がかかるため、LTテストで8メッツ以上の能力がある若者のみ行ってよいとされています。各テストを行う際はこのブログの内容だけではなく、必ず同書を参照してください。

春爛漫の白髭岳北尾根(今西ルート)

5/11(火)、奈良県川上村最高峰の白髭岳(1,378m)に登ってきました。本来は公募プランでこの時期シャクナゲが美しい百合ヶ岳をご案内する予定だったのですが、落石により林道が通行止め。開催日までに解除される見込みがなく、対岸の白髭岳に転進しました。

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こちらが百合ヶ岳から望む白髭岳。画面中央の鋭鋒です。一般的な登山ルートは北尾根と西尾根(東谷コース)の2本ありますが、どちらも見た目通りの急坂が続く、登りごたえある山です。

白髭岳は京都大学名誉教授で登山家でもある今西錦司氏が1985年に御年83歳で日本1500登山を達成した際、1500山目に選ばれた山でもあります。その際使われたのが今回たどった北尾根です。

ちなみに今西氏は日本人が初登頂した8,000m峰であるマナスル峰の踏査隊長を務められており、個人的に昨年この目でマナスルを見てから勝手に縁を感じています。笑

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マナスル(8,163m)2020年3月撮影

今西氏が白髭岳に登った当時は林道が奥まで通行できたようですが、現在は麓の集落の水道施設より先は崩壊により徒歩でしか通行できません。

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まずは小1時間ほど崩壊林道を歩きます。

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林道からは中奥川鳥渡谷の切れ込みの向こうに白髭岳から池木屋山に接続する長大な尾根の側壁が見えています。秋だと眼下に大鯛滝が見えるのですが、今回は樹林のためよく見えませんでした。

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林道終点から小沢を渡って尾根に取り付きます。はじめは非常に滑りやすいじぐざぐの急坂が続きます。今シーズン初のギンリョウソウに出会いました。

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尾根に出ると、これまた急坂です。ゆっくりと高度を上げていきます。

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林道終点から1時間ほどで北尾根の主稜線に出ました。とたんに爽やかな風に迎えられます。合流点の小ピークには高尾という地名がついています。ここから尾根の右側(西側)が自然林となり明るくなります。

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ちょうどミツバツツジが終わりを迎えアケボノツツジが見ごろを迎えており、足元はピンクの絨毯、頭上は春爛漫といった雰囲気でした。

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稜線上の小ピークは巻き道もあるのですが、お花が見たいがためにわざと稜線を歩いたりしました(笑)

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シャクナゲもちらほらと咲いています。

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浮かれたい気持ちは山々ですが、足元は滑落注意のナイフリッジが続き、気が抜けません。

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1286mピーク手前のロープ場を抜けると山頂が垣間見えました。山肌に点々と鮮やかなツツジが輝いており、歓声が上がります。

ここから少し尾根が広がるものの、急坂は相変わらずで我慢の登りを経てようやく山頂に到着です。

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山頂には今西氏登頂記念の立派な碑が建っています。

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頂上からは大峰の大普賢岳八経ヶ岳、台高の白屋岳、薊岳などが遠望できました。山頂のお花もちょうど見ごろを迎えており、お花見ランチを堪能して往路を慎重に下山しました。

これまで秋に登ることが多く、険しくどちらかというと寂しい印象の白髭岳にこのような華やかな一面があったとは意外でした。思わぬ収穫を得た一日となりました。

大峰・天ヶ瀬古道をたどって和佐又山に登る

大峰・大普賢岳の麓、奈良県上北山村に天ヶ瀬という集落(廃村)があります。大普賢岳の中腹には笙の窟という半洞窟があり、実利行者による千日籠行の逸話が残っている他、多くの修験者がここで修行をしたそうです。そうした荒行を支えたのが天ヶ瀬の人々で、かつては天ヶ瀬から笙の窟まで登る古道があったと聞き、以前から興味を持っていました。確かに、いまでも地形図には古道と思われる歩道が書き込まれています。先日5/10(月)、ついにこの道を歩いてきました。

*ログはYAMAPをご覧ください。

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上北山村に入り、国道169号線と309号線の分岐から少し309号線に入ったところに駐車し、地形図の表記通り旧道から山道を上がっていきます。すぐにT字路が出てきますが、集落方向の左手に入ると立派な石垣と廃屋が見えてきました。

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廃屋からさらに左手に進むと天ヶ瀬の集落がありますが、右手にも立派な道が続いているのが気になっていったんこちらをたどってみます。すると神社に出会いました。

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天ヶ瀬集落とその隣の日浦集落の境の尾根上にあり、この2つの集落のお宮だったのでしょうか? 境内の片隅にはうっすら「遥拝」という文字が読み取れる木柱がたっていました。現在は樹林におおわれ周囲の展望はほとんどありませんが、どの方向を遥拝していたのか、気になります。

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天ヶ瀬の方に戻り、廃村の中を通り抜けています。五右衛門風呂や子どもサイズの上履きなど、生活の痕跡が垣間見られました。

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集落を通り抜けてほぼ水平に西へトラバースしていきます。しばらくは石垣がありましたが、小尾根に出会うとそこから先は道がはっきりとしません。地形図通りこの小尾根を直登し、高和田山に向かいます。わずか20分ほどですがかなりの傾斜で、大汗をかきながら登ります。樹形が特徴的なアカマツがありちょっと怖いくらいでした。

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上の尾根に出ると傾斜がゆるみ、爽やかな風で癒されました。そのまま尾根をたどって高和田山へ。頂上直下は伐採されており、大普賢岳(中央やや右奥)と和佐又山(右)がよく見えました。和佐又山から左手前に伸びてきている新緑の尾根をこれからたどっていきます。高和田山と和佐又山の間には小塚の森という小ピーク(中央手前)があります。

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和田山山頂は視界なし。四等三角点がありました。

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尾根づたいにまずは小塚の森へ向かいます。すると立派な林道に出ました。いままさに林道をのばす作業途中のようで、将来は高和田山まで林道がつくのかもしれません。写真は振り返ったところで、右手が歩いてきた林道、左手の斜面が伐採されている山が高和田山です。一番奥は遠く大台ヶ原方面です。

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しばらく林道を歩き、林道終点から支尾根をたどって和佐又山への主稜線に復帰します。小塚の森から和佐又山は巨樹の点在する美しい自然林でした。

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やがて和佐又山山頂に到着。かなり大普賢岳が近くなりました。元々の古道は和佐又山の山頂をまいて北側のコルに出ているようですが、はっきりとはわかりませんでした。本来の趣旨からすればここから笙の窟まで向かうべきですが、和佐又山~笙の窟間は既知の道のりのため、今日は北側のコルから底無井戸、水簾の滝を経由して車に戻る周回ルートをとります。

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和佐又山のコルから先では期待通りヤマシャクヤクが見ごろを迎えていました。すでに葉っぱが散っているものも見られました。

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道中、大普賢岳の前衛峰である小普賢岳(左)と日本岳(右)の岩壁が立派でした。右手の日本岳の中腹に笙の窟があるわけですが、美しい自然林の中から見上げる大岩壁はなんだか異世界という感じがします。

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縦穴洞窟であるところの底無井戸。かなり深いです。

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水太林道に下山し、駐車地までは約1時間の林道歩き。とぼとぼ歩いていると、カモシカが沢を横断していました。

林道歩き含め約7時間の周回コースとなりました。和佐又山周辺は自然林が美しく、秋には気持ちの良い紅葉登山となりそうです。

笙の窟まで行くことを考えると、天ヶ瀬からは結構な距離となります。昔の人は現代人よりかなり健脚だったとは思いますが、物資を担いで往復することはなかなかの重労働だったのではないでしょうか。何が村人を動かしたのか、その精神的な部分も知りたいと思いました。また和佐又山周辺の穏やかな自然林に比べると、稜線の岩壁帯は異質な雰囲気で対照的でした。今より情報がなかった昔は、山の上はもっと恐ろしい世界として捉えられていたのかもしれません。大峰のまた新たな一面を知った気がした古道歩きでした。

竜口尾根・又剣山から日本のギアナ高地を望む

昨日5/6(木)は竜口尾根・又剣山へ。
竜口尾根は大台ヶ原を真正面に望む絶景尾根です。山深いアプローチのため静かな山歩きが楽しめ、この日も貸し切りでした。
ここから見ると大台ヶ原が断崖絶壁を従えたテーブルマウンテンだということがよくわかります。日本のギニア高地と呼んでもいいでしょう(笑)
最近は雨が多く西大台から流れ出る西の滝、中の滝は大迫力でした。大台ヶ原ギアナ高地なら落差250mを誇る中の滝はさしづめエンジェルフォールといったところでしょうか?
ミツバツツジアケボノツツジシャクナゲと意外にお花にも恵まれた山行となりました。特にアケボノツツジシャクナゲはまだ咲き始めで、よいタイミングでの訪問でした。
もっと知られてもいい山です。

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