奈良県五條市西吉野のフクジュソウ観察&柚野山に行ってきました。フクジュソウは“スプリング・エフェメラル”(春の妖精)と呼ばれる春を告げる花のひとつとして知られています。ここ西吉野津越(つごし)は、西日本では数少ない自生地として、奈良県の天然記念物に指定されているところです。フクジュソウ以外にもお花が多く、春の陽気を感じる山歩きとなりました。
集落までの道幅は細く、駐車スペースも少ないため、週末など混雑時は桧川迫川沿いの路肩にとめて歩いて上がった方がいいかもしれません。この日は平日の早い時間とあって、余裕をもってとめることができました。集落内からは対岸に吉野三山のひとつ、櫃ヶ岳(ひつがたけ)が立派に見えています。やはり名のある山は里山といえど存在感がありますね。
お花を楽しみながら集落内を歩き、標識に従って遊歩道に導かれます。
遊歩道沿いにはお目当てのフクジュソウが多数咲いていました。影の部分はまだ蕾のままですが、日当たりのいいところではパラボラアンテナのような姿を見せています。これは実際に、太陽の光を花の内部に集めているのだとか(参考)。
右下の遊歩道から上がってきました。左の門は稱名寺(しょうみょうじ)で、ここでお手洗いを借りることができます。また向かいのお家では梅干しや山菜を軒先で販売されていました。周囲にはロウバイの甘い香りがただよっています。
フクジュソウ観察は稱名寺で終わりですが、引き続き集落内の道を登って、お次は柚野山(ゆのやま)を目指します。
動物除けのゲートを開閉して山道に入り、しばらく歩くと鳥居の倒れた八坂神社を通過します。
尾根に出ると舗装林道となりますが、ところどころで視界があり山座同定がおもしろいところ。平雄集落との分岐から再び山道へ。2つの小ピークを巻きながら登り(この巻き道の入り口がわかりづらく注意)、尾根に出るとやがて柚野山山頂へ。
三角点のある柚野山(849.6m)
以前は樹林で展望のきかなかった頂上ですが、現在は大峰方面の大展望が広がります。
さすがに近畿最高峰・八経ヶ岳はまだ雪がある様子。
展望を満喫し、山道を戻って平雄地区との分岐へ。今度は林道を下って津越集落へ戻ります。途中、廃屋を見かけました。母屋の玄関には「西吉野村」の表示が。合併前の古い家ですね。
集落に出てふと後ろを振り返ると、柚野山のこんもりとした姿が見えていました。