奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

14時間半の激闘! 雪の近畿最高峰・八経ヶ岳日帰り

2/27(土)~28(日)で公募プラン「雪の近畿最高峰 八経ヶ岳」を開催しました。これまで冬の八経ヶ岳は狼平避難小屋泊での1泊2日で訪れていましたが、コロナ禍で不特定多数が出入りする避難小屋泊りが憚れたこともあり、初の試みとして日帰りでの実施としました。

今シーズンは後半に入ってから寡雪傾向となり、雪がなさすぎたらどうしようかという心配をしていましたが、直前の金曜日に雪が降り、逆に急遽スノーシューのご持参をお願いすることとなりました。当日は晴天とはいきませんでしたが上部は強風による巨大エビの尻尾のオンパレードで、さすが近畿最高峰は違うなと今回も感じさせられました。

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初日はゆっくりめに集合して、西吉野観光。津越のフクジュソウと賀名生梅林を訪れました。

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ランチはMoto DINERさんで。Googleマップでは好評価が集まる、明るい雰囲気のライダーズカフェでした。

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ボリューミーでおいしいランチに大満足! デザートもいただきました♪

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天川村に移動し、ペンションミルキーウェイさんにお世話になりました。1人1部屋が可能な宿泊施設がなかなかなく、5~6軒あたった末にようやく見つけたお宿でした。天の川温泉と天河大辨財天社がすぐ近くという好立地で、夕食の創作料理もとてもおいしかったです。

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特に古代米と、ご飯の左上にうつっている里芋のあんかけコロッケ?が好評でした~。

翌日は暗い中、早朝5時に宿を出発。5時30分には熊渡登山口を出発しました。

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暗い中林道を歩き、カナビキ尾根取り付きへ。途中、落石がありヒヤリとさせられました。カナビキ尾根の途中でアイゼンを装着し、高度を上げていきます。

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カナビキ尾根を登り切り、川合からの主稜線に合流してしばらく進んだところで雪が増え足元をチェンジ。スノーシュー、ワカン、スーパーカンジキに各々付け替えます。

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高崎横手から明星ヶ岳方面はうっすらトレースが残っていました。途中、トップリ尾への分岐に標識が設置されているのを発見。昨秋に新設されたもののようです。

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無雪期は通常まいており、なかなかピークを踏まない日裏山にもいっておきました。

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明星ヶ岳への登りは風の造形がすごかったです。

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だんだんと雲の中に入ってきました。

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風をこらえながら登り続け、まずは明星ヶ岳に登頂! ここから八経ヶ岳、弥山へと近畿の標高No1~3峰をつなぐ稜線縦走が始まります。

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コンディションとしては固い氷のような残雪の上に中途半端に新雪がのっており、アイゼンでは沈むがスノーシューでは踏ん張りがきかずすべりそう、という状態。バランス感覚、体幹が試される道のりでした。

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雪の状態に苦労しながらも、ついに近畿最高峰・八経ヶ岳へ!

周囲は手のひらを優にこえるサイズのエビの尻尾がついており、風の強さを物語っていました。

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引き続き厳しいコンディションではありましたが、いったん下って我慢の登りで弥山小屋へ。昼食休憩をとった後、天河大辨財天社の奥宮でもある弥山へお参りです。

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弥山からの下降中、一瞬日が差し青空がのぞきました。

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美しい霧氷に歓声が上がります。

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狼平まで下りるとだいぶ雪が減ってきました。

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この後はこの日2度目の高崎横手を通過し、カナビキ尾根を下って無事下山! 疲れもあり帰着は20時と、14時間半の激闘となりました。
当初12時間程度の行程と見積もっていましたが、雪の状態もありかなりの長時間行動となりました。12時間でも14時間でも、いずれにせよ長いことに変わりはありませんが(笑) 特に上部はいやらしい状態でしたが、パワフルなメンバー揃いで無事に踏破することができました。ご参加の皆さま、本当にお疲れさまでした!!