奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

大展望ひろがる侮れない低山 布引山地・錫杖ヶ岳

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錫杖湖から見上げる錫杖ヶ岳

今日は奈良県を飛び出して三重県は布引山地の錫杖ヶ岳へ。写真の通り鋭くとがった姿で標高わずか676mの低山にもかかわらず、渡渉・急坂・岩場・細尾根などがコンパクトにまとまった登り応えある山です。山頂からは360度の大展望が広がります。前夜の雨のおかげで空気が澄んでおり、遠く雪の御嶽山まで見えました。

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麓の錫杖湖畔の桜に期待してこの日程にしたのですが、今年は異例の早い開花で見ごろを少し過ぎていました。桜吹雪がきれいでした。

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今回は下之垣内東コースを登り、西コースを下る周回ルートです。安濃川の駐車スペースから下之垣内集落へ入り、登山口を目指します。

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非常にわかりやすい登山口。助かります(笑)

最初は林道歩きですが、何度か川を横切ってやがて植林帯に入っていきます。

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大峰より少し季節が進んでいるようでした。

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渡渉ポイントで見つけた景色。上の管から水滴がたれて土管に着地し、下の苔を育てているようです。数年後に来たらもっと苔が成長していたりするでしょうか。

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尾根にとりつくと結構な急坂が続きます。登山口から1時間ほどで主稜線に合流しますが、そこからはもっと急になり手を使う場面も出てきます。

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途中の小ピークから望む山頂。

下山に使う西コースが左手から合流してくると、頂上はもうすぐ。

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山頂直下には東屋があり、休憩に利用できます。

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最後に簡単な岩場があります。

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錫杖ヶ岳山頂に到着! 周囲は絶景が広がります。

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眼下には錫杖湖。右側の山は経ヶ峰。左奥の水平線は伊勢湾です。写真外ですがさらに左には伊勢湾の向こうに知多半島の湾曲が見えていました。海が見える山はいいですね。

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写真だとわかりづらいですが、経ヶ峰の右手には青山高原の風車群が見えていました。

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反対側に目を転じると鈴鹿山脈の大きな山並みがあります。一番奥の稜線が綿向山~雨乞岳~御在所岳あたりでしょうか。この右奥にどっしりとした雪の高峰が見え御嶽山と思われましたが、写真には写りませんでした。

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鈴鹿の左側はやや地味な山並みですが、烏山~那須ヶ原山~高畑山あたりの連なりとなります。錫杖ヶ岳は三重県亀山市出身の登山家、故・尾崎隆氏の功績をたたえ認定された「亀山7座トレイル」のうちの一座ですが、高畑山も同じく亀山7座トレイルの山です。

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一時「世界の亀山」として名をはせたシャープ亀山工場が目立っていました。

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展望を満喫し、下りにかかります。転倒、落石に気を付け慎重に。西コースの上部は急な階段となっていますが、やがて傾斜がゆるみ、何度か沢を渡ったら下之垣内集落の本法寺の裏に出てきます。

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本法寺に出る直前の古い石仏

ランチ休憩を含めてもトータル4時間という短い時間でしたが、いろいろな要素が凝縮された密度のある山登りでした。

 

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ちょうど見ごろを迎えていた長徳寺の龍王桜を見学して帰路につきました。

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長徳寺ではヤギが熱心にお食事中でした。

 

錫杖ヶ岳は二度目の訪問でしたが今回は視界がクリアで、その魅力を存分に感じることができました。北側にも複数のコースがあり、いずれはそこからも登ってみたいものです。付近の山も錫杖ヶ岳と同じく展望にすぐれた低山があるようですし、このあたりの山は雪の鈴鹿の展望台として冬に登ってみても面白いかもしれません。

朝晩肌寒い吉野と違って帰路は暑いくらいで、まぶしい日光と新緑に初夏と錯覚しそうになる平和な一日でした。