「登山ガイド」と一口にいってもそのスタイルはさまざまで、大きくわけて2つあると自分は考えています。
ひとつは、「日本全国、いや海外でも山ならどこでも行きます」という感じの旅行会社的ガイド。
もうひとつは、「自分のエリアはここ。ここのことなら何でも訊いてください」という感じの地域密着型ガイド。
発地型と着地型という風にもいえますね。
いま、自分が目指しているのは後者の方です。なので、夏になるとカヤックのガイドもやったり、ケイビング(洞窟探検)もやったり。紀伊半島の山は夏暑いので、無理に汗だくで登るよりも、川や湖、洞窟も山の一部ととらえて、いい時期に楽しむのが自然な姿かなと思っています。
ただやはり、お客様とご一緒する中で「富士山にも行きたい」「北アルプスに連れていってほしい」「××山のガイドはしてないの?」という話が出ることもあり。
仕事の機会が増えるのは喜ばしいことですが、自分の熟知していないエリアを無理にガイドするのは自分の信条に反する。とはいえ、「私は無理なので、旅行会社のツアーか、誰かガイドを探してください」と放り出すのも無責任に感じる。
どうすべきかなとしばらく悩んでいましたが、これまでの研修などで各地のガイドさんに出会う機会があり、わりと全国いろんなエリアに知り合いができつつあるので、そのおすすめガイドを紹介することにしようと決めました。
ある意味自分の仕事の機会を減らすことにもつながりかねないので、零細個人事業主的にはあまり賢くない選択なのかもしれません。が、結果的にお客様がその行く先々で(自分が無理にガイドするよりも)いい経験をされるのであれば、それでいいじゃないか、みんなハッピーじゃないか、という考え方です。
そうして日本全国に地域密着型のガイドが育っていけば、どこにいっても面白い体験ができる。それってかなり理想的な姿だと思うわけです。
そのためには横のつながりが必要だし、自分自身が他エリアのガイドにおすすめされるくらいのクオリティを出さなくちゃいけない。ちょっとプレッシャーにも感じますが、低クオリティではどのみち淘汰されるのが目に見えているので、広い視野を持ちつつ、がんばっていきたいと思います。
ちなみに今回、お話しがあったのは熊野方面。個人的には何度か歩いたことがあり、出張ガイドできなくもない場所でしたが、圧倒的なおすすめがあったので、そちらをご紹介しました。
お客様がよい体験をされることを願っています。
そして奈良の山では選んでいただけるよう、これからもがんばっていきます。笑