奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

4月最後のガイドは稲村ヶ岳フルコース

昨日、大普賢岳から眺めていた稲村ヶ岳を本日はご案内しました。
稲村ヶ岳&大日山&宝剣探訪のフルコースでした♪
冬の間、何度も通ったおかげで今回の宝剣探しはかなりスムーズに行けました。

これにて4月のガイドは終わり。
天候不順や緊急事態宣言など厳しい1ヶ月でした。
来月もなかなかハードそうですが、知恵を絞ってがんばります。

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岩・洞窟・湧き水! 盛りだくさんの大普賢岳・無双洞周遊コース

公募プラン「大普賢岳・無双洞周遊コース」を開催しました!
大峯奥駈道の絶景はもちろん岩・洞窟・湧き水と変化に富んだ好ルートです。
ひさしぶりに汗ばむ陽気で、早くも夏の気配を感じる一日でした。

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山桜のナメゴ谷展望とナメゴ谷の盟主・高塚山を訪ねる

秋には尾根筋の紅葉が“昇り龍”のようだと話題になる奈良県上北山村のナメゴ谷ですが、ヤマザクラが美しい春もオススメです。ナメゴ谷の展望スポットからは立派な尾根を張り出した山が見えますが、この山の名を知る人はあまりいません。実は高塚山という名前がちゃんとあり、登山道もあります。ナメゴ谷の盟主ともいうべき山なら一度は登らねばということで、行ってきました。

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国道309号線のナメゴ谷展望スポットより。正面やや左の穏やかな山が高塚山です。その右のピークは地図上1418mピーク東隣の無名ピークで、さらに右にいくと一の垰(タワ)方面となります。

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紅葉のように一直線の筋とはなりませんが、点々と咲くヤマザクラの色合いがきれいです。

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行者還トンネル東口の登山口から高塚山を目指します。崩壊していた林道が整備されていました(入口のみ)。

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林道入口からは正面に大台ヶ原が見えます。

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荒れた林道を歩き、尾根に取り付きます。標識が朽ちていますが…テープがあるので、見落とさないように。

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印象的な巨木を眺めながら自然林の尾根を登っていきます。

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尾根を登りつめて大峯奥駈道に出ると、周囲の山々がよく見えます。こちらは近畿最高峰・八経ヶ岳(左)と弥山。

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印象的なトンガリ具合の鉄山。

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これからたどる高塚山への尾根。右手前から左奥へ、下り基調で向かっていきます。こちらからも尾根筋に自然林が残っているのがよくわかりますね。一番奥は大台ヶ原です。

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一の垰には新しい標識ができていました。

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歩いてきた大峯奥駈道を振り返る。奥駈道の中でも歩きやすい区間です。

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奥駈道から離れ、高塚山を目指します。道は基本的に尾根上で、こまめに新しい道標が設置されていたり、尾根が広いところにはロープが張られていたりしてわかりやすいです。

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ただし、その整備も1418mピークまで。ここで尾根が分岐しており要注意。高塚山方面に進むとテープ等ほとんどなくなります。

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ここから次のピークまで、これまでの穏やかな様子から一転、岩峰をまいていくところが三連続で出てきます。

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右手には八経ヶ岳から釈迦ヶ岳へ続く稜線がずっと見えています。写真は孔雀岳(左)と仏生ヶ岳(右)。八経~釈迦縦走の際はどちらも単なる通過点という印象ですが、この角度から見ると存在感のある立派な山でした。特に仏生ヶ岳が巨大でした。孔雀岳からは十郎山まで続く長い尾根が左に延々と続いており、一度は辿ってみたいものです。

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岩峰のピークから一旦下って少し登り、高塚山へ到着。意外にも南側が崖となったせまい頂上でした。三角点と朽ちた標識が引っかかっているだけの静かな山頂です。

今回は一の垰の標高が約1500mで、そこから1418mピークを経由して1363.7mの高塚山へ尾根をたどっているため、基本的に往路が下り、復路が登りとなります。というわけで登り返しの帰路となりました。

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下山後、カーブを曲がったところでカモシカに遭遇! ひさしぶりの出会いでした。

山頂は樹林の中と聞いておりどうだろう?と思っていましたが、山の中はまだまだ落葉しており展望の山歩きとなりました。今回は最短距離となる行者還トンネル東口から往復しましたが、90番標識から入山する通称タイタン尾根などと組み合わせて周回するとより充実すると思います。皆が写真をとっているナメゴ谷の真っただ中を人知れず歩くというのもユニークでいいですね。秋の紅葉も期待できますし、季節を変えてまた訪れたい山でした。

 

秋の様子はこちら

chkch.hatenablog.com

2年ぶりの満開。匠のむらの芝桜

ご近所の匠の聚の芝桜が見ごろを迎えていると聞いて、見に行ってきました。
2年前は鹿の食害でほとんど花が見られなかったのですが、関係者の方々のお世話によりここまで戻ってきたそうです。
ギャラリーカフェでケーキセットをいただいて、花より団子。というか、花と団子の休日でした。笑
娘に綺麗な景色を見せられてよかったです。

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takuminomura.gr.jp

満開を迎えた奈良県曽爾村・屏風岩公苑のヤマザクラ

4/10(土)、満開を迎えた奈良県曽爾村・屏風岩公苑のヤマザクラを訪れました。
奈良県でもっとも遅く咲く桜と言われており例年の見ごろは4月中旬~下旬ですが、ここも今年は早かったです。
下からのお花見のあとは屏風岩を縦走して、上からのお花見も楽しみました。
あわせて不退寺の源平しだれ桃も見に行ってきました。3色のお花が咲き乱れるユニークなハナモモです。
どちらも青空に映えてとても綺麗でした。

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大展望ひろがる侮れない低山 布引山地・錫杖ヶ岳

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錫杖湖から見上げる錫杖ヶ岳

今日は奈良県を飛び出して三重県は布引山地の錫杖ヶ岳へ。写真の通り鋭くとがった姿で標高わずか676mの低山にもかかわらず、渡渉・急坂・岩場・細尾根などがコンパクトにまとまった登り応えある山です。山頂からは360度の大展望が広がります。前夜の雨のおかげで空気が澄んでおり、遠く雪の御嶽山まで見えました。

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麓の錫杖湖畔の桜に期待してこの日程にしたのですが、今年は異例の早い開花で見ごろを少し過ぎていました。桜吹雪がきれいでした。

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今回は下之垣内東コースを登り、西コースを下る周回ルートです。安濃川の駐車スペースから下之垣内集落へ入り、登山口を目指します。

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非常にわかりやすい登山口。助かります(笑)

最初は林道歩きですが、何度か川を横切ってやがて植林帯に入っていきます。

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大峰より少し季節が進んでいるようでした。

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渡渉ポイントで見つけた景色。上の管から水滴がたれて土管に着地し、下の苔を育てているようです。数年後に来たらもっと苔が成長していたりするでしょうか。

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尾根にとりつくと結構な急坂が続きます。登山口から1時間ほどで主稜線に合流しますが、そこからはもっと急になり手を使う場面も出てきます。

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途中の小ピークから望む山頂。

下山に使う西コースが左手から合流してくると、頂上はもうすぐ。

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山頂直下には東屋があり、休憩に利用できます。

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最後に簡単な岩場があります。

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錫杖ヶ岳山頂に到着! 周囲は絶景が広がります。

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眼下には錫杖湖。右側の山は経ヶ峰。左奥の水平線は伊勢湾です。写真外ですがさらに左には伊勢湾の向こうに知多半島の湾曲が見えていました。海が見える山はいいですね。

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写真だとわかりづらいですが、経ヶ峰の右手には青山高原の風車群が見えていました。

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反対側に目を転じると鈴鹿山脈の大きな山並みがあります。一番奥の稜線が綿向山~雨乞岳~御在所岳あたりでしょうか。この右奥にどっしりとした雪の高峰が見え御嶽山と思われましたが、写真には写りませんでした。

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鈴鹿の左側はやや地味な山並みですが、烏山~那須ヶ原山~高畑山あたりの連なりとなります。錫杖ヶ岳は三重県亀山市出身の登山家、故・尾崎隆氏の功績をたたえ認定された「亀山7座トレイル」のうちの一座ですが、高畑山も同じく亀山7座トレイルの山です。

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一時「世界の亀山」として名をはせたシャープ亀山工場が目立っていました。

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展望を満喫し、下りにかかります。転倒、落石に気を付け慎重に。西コースの上部は急な階段となっていますが、やがて傾斜がゆるみ、何度か沢を渡ったら下之垣内集落の本法寺の裏に出てきます。

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本法寺に出る直前の古い石仏

ランチ休憩を含めてもトータル4時間という短い時間でしたが、いろいろな要素が凝縮された密度のある山登りでした。

 

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ちょうど見ごろを迎えていた長徳寺の龍王桜を見学して帰路につきました。

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長徳寺ではヤギが熱心にお食事中でした。

 

錫杖ヶ岳は二度目の訪問でしたが今回は視界がクリアで、その魅力を存分に感じることができました。北側にも複数のコースがあり、いずれはそこからも登ってみたいものです。付近の山も錫杖ヶ岳と同じく展望にすぐれた低山があるようですし、このあたりの山は雪の鈴鹿の展望台として冬に登ってみても面白いかもしれません。

朝晩肌寒い吉野と違って帰路は暑いくらいで、まぶしい日光と新緑に初夏と錯覚しそうになる平和な一日でした。

木の根道をこえて大峰北部の展望台へ 鉄山~鉄山平

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鉄山平より大峰北部をぐるり見渡す。手前右のピークが鉄山

大峰北部を歩いていると弥山から北にのびる尾根に顕著なトンガリ山があることに気づきます。鉄山(てっせん)と呼ばれ、その見た目通り急坂また急坂の連続で登り応えのある山です。頂上の前後にはそれぞれザンゲ平と鉄山平という展望地があり、天候に恵まれれば大峰北部を一望する最高の展望台となります。

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弥山北面、迷ヶ岳付近より望む鉄山

この日は午前中曇りで午後から晴れ予報。行程も短いのでゆっくり目に出発して、思ったより天気の回復が遅かったのですが帰路は景色ばっちりで狙い通り、いい一日となりました。

山中ではなんと大学の後輩に出会うというサプライズが。後輩といっても大学が同じなだけで直接の面識はありませんが、小さな大学だけにそれだけでもなんだか嬉しくなるものです。

この景色が全行程5時間で見られるとはすばらしいです。急坂また急坂で楽ではありませんが、アスレチック的でおもしろい山でした。

往路は幻想的な景色(笑)だったため、写真は帰路のものが中心です。

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みたらい渓谷を通り抜けてアプローチ。川迫川沿いに公衆トイレあり。

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大川口の橋のたもとから入山します。

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初っ端から急坂の連続です。手を使って三点支持で登ります。道自体は基本尾根沿いで、ところどころ岩場を左右にまくところがあります。鉄山まではちょっと多すぎるくらいテープがついています。

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30分ほど登るといったん急坂がゆるみ、やがて展望地(ザンゲ平)へ。正面奥にこれから登る鉄山のピークが見えています。

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ザンゲ平からは聖宝谷上部の崩壊地がよく見えました。ドラゴンの爪痕と呼ばれ、冬季は登られているようです。

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ザンゲ平からいよいよ鉄山の本領発揮。すごい木の根道が続きます。すべりやすく緊張が絶えません。鎖場も出てきますが、鎖に頼らず踏み跡を見極めた方がいいです。

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ライミング的な根っこ登りを続けて山頂へ。旧字で鐵山とあります。山頂は少人数なら休憩できるスペースあり。

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少し西側にいくと西壁の上に出て、大展望が広がります。眼下に川迫川の流れ。

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登山口から鉄山山頂まで2時間弱。時間に余裕があったため、もう少し先に進みます。あたりはシャクナゲ多め。

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鉄山から少し下ってすぐに登り返し、香精山?のピークへ。山名標識はなし。「山は楽しい」の札がありました。

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香精山から下ってさらに先へ。左奥は弥山。谷筋にはまだ雪があります。右手に目指す鉄山平の平坦地が見ています。その奥は修覆山でしょうか。このあたりの小ピークは巻けそうにも思えますが、素直に尾根上の踏み跡を行く方が無難です(帰りに巻こうとして失敗しました)。

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鉄山平に到着。意外に平坦ではなかったのですが、稲村ヶ岳山上ヶ岳~大普賢岳~行者還岳の大展望が広がります。

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大台ヶ原もしっかり見えていました。

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登ってきた鉄山のズーム。西壁がすごい。

展望を満喫して、往路を慎重に戻りました。帰りもところどころで展望がひらけ、飽きることがありませんでした。

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この角度からは珍しいかも? とんがった行者還岳。左下に落ちる尾根は西尾根。

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バリゴヤの頭~稲村ヶ岳。前穂北尾根のようといったら大げさすぎでしょうか。

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ズーム。あの南壁は登れるんでしょうか?

 

お馴染みの山々もいつもと違う角度で見ると発見がありますね。転滑落注意は言うまでもないですが、チャレンジする価値のある山だと思います。