奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

木の根道をこえて大峰北部の展望台へ 鉄山~鉄山平

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鉄山平より大峰北部をぐるり見渡す。手前右のピークが鉄山

大峰北部を歩いていると弥山から北にのびる尾根に顕著なトンガリ山があることに気づきます。鉄山(てっせん)と呼ばれ、その見た目通り急坂また急坂の連続で登り応えのある山です。頂上の前後にはそれぞれザンゲ平と鉄山平という展望地があり、天候に恵まれれば大峰北部を一望する最高の展望台となります。

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弥山北面、迷ヶ岳付近より望む鉄山

この日は午前中曇りで午後から晴れ予報。行程も短いのでゆっくり目に出発して、思ったより天気の回復が遅かったのですが帰路は景色ばっちりで狙い通り、いい一日となりました。

山中ではなんと大学の後輩に出会うというサプライズが。後輩といっても大学が同じなだけで直接の面識はありませんが、小さな大学だけにそれだけでもなんだか嬉しくなるものです。

この景色が全行程5時間で見られるとはすばらしいです。急坂また急坂で楽ではありませんが、アスレチック的でおもしろい山でした。

往路は幻想的な景色(笑)だったため、写真は帰路のものが中心です。

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みたらい渓谷を通り抜けてアプローチ。川迫川沿いに公衆トイレあり。

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大川口の橋のたもとから入山します。

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初っ端から急坂の連続です。手を使って三点支持で登ります。道自体は基本尾根沿いで、ところどころ岩場を左右にまくところがあります。鉄山まではちょっと多すぎるくらいテープがついています。

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30分ほど登るといったん急坂がゆるみ、やがて展望地(ザンゲ平)へ。正面奥にこれから登る鉄山のピークが見えています。

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ザンゲ平からは聖宝谷上部の崩壊地がよく見えました。ドラゴンの爪痕と呼ばれ、冬季は登られているようです。

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ザンゲ平からいよいよ鉄山の本領発揮。すごい木の根道が続きます。すべりやすく緊張が絶えません。鎖場も出てきますが、鎖に頼らず踏み跡を見極めた方がいいです。

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ライミング的な根っこ登りを続けて山頂へ。旧字で鐵山とあります。山頂は少人数なら休憩できるスペースあり。

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少し西側にいくと西壁の上に出て、大展望が広がります。眼下に川迫川の流れ。

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登山口から鉄山山頂まで2時間弱。時間に余裕があったため、もう少し先に進みます。あたりはシャクナゲ多め。

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鉄山から少し下ってすぐに登り返し、香精山?のピークへ。山名標識はなし。「山は楽しい」の札がありました。

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香精山から下ってさらに先へ。左奥は弥山。谷筋にはまだ雪があります。右手に目指す鉄山平の平坦地が見ています。その奥は修覆山でしょうか。このあたりの小ピークは巻けそうにも思えますが、素直に尾根上の踏み跡を行く方が無難です(帰りに巻こうとして失敗しました)。

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鉄山平に到着。意外に平坦ではなかったのですが、稲村ヶ岳山上ヶ岳~大普賢岳~行者還岳の大展望が広がります。

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大台ヶ原もしっかり見えていました。

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登ってきた鉄山のズーム。西壁がすごい。

展望を満喫して、往路を慎重に戻りました。帰りもところどころで展望がひらけ、飽きることがありませんでした。

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この角度からは珍しいかも? とんがった行者還岳。左下に落ちる尾根は西尾根。

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バリゴヤの頭~稲村ヶ岳。前穂北尾根のようといったら大げさすぎでしょうか。

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ズーム。あの南壁は登れるんでしょうか?

 

お馴染みの山々もいつもと違う角度で見ると発見がありますね。転滑落注意は言うまでもないですが、チャレンジする価値のある山だと思います。