1週間ぶり今シーズン3回目の三峰山へ。霧氷はバッチリ!
本日はM社のツアーガイドで今シーズン3回目の三峰山へ。
雪はありませんが霧氷はバッチリ。特に八丁平は美しかった!
正直期待していなかっただけに、嬉しい誤算でした。
これだから山は行ってみないとわかりませんね。
大峰有数の大氷瀑・琵琶の滝と中の滝を訪ねました
大峰山の東面、下多古川に位置する琵琶の滝が凍結していると聞き、1/14(金)、寒波が緩む前にと観に行ってきました。さらにその奥に流れる中の滝もあわせて訪れました。
ここの難しさはアプローチにあります。山道というより、登山口までの運転が恐ろしい。下多古(しもたこ)地区は国道から少し入っただけにも関わらず、集落の中ほどから道路が真っ白となり緊張させられます。途中、橋で少し滑りましたが事なきを得、集落を抜けて林道へ。ここで道路が北側斜面から南側斜面に変わるので、標高は上がりますが雪は減ります。
何度かヘアピンカーブを経て湧き水が湧いているポイントへ。ここから先、雪がさらに増えガードレールもないので、不安な場合は林道横のヘリポートに停めて歩くのが無難でしょう。今回は登山口まで車で入れましたが、降雪直後は厳しいと思われます。
登山口から雪まみれ。
琵琶の滝展望台まで夏道通り歩いていきます。沢沿いの道で滑りやすいので要注意。展望台直前に岩場があり、帰路は岩に氷が張り付いていて嫌らしかったです。
展望台が見えるとその背後に琵琶の滝の雄姿が望めます。
現地で見ると写真とは比べ物にならないほど迫力があります。ここからでも十分絶景ですが、今回はさらに接近を試みます。展望台から先、整備された道はありませんので、ここから登山としても難易度が上がります。
というわけで滝つぼまでやってきました。滝つぼに降り立つ最後の1mほどが足場がなく厳しい。かつては丸太橋がありましたが完全に朽ちており、使えません。行きはストンと降りたものの、帰りはザックを先にもちあげて空身で必死で這い上がりました。まさかこんなところでアイゼンで岩登りする羽目になるとは…。
見上げると琵琶の滝がドドーンとそそり立ちます。よく見ると二段になっています。
真正面より。
巨岩を登ったりくぐったりしてさらに接近。人と比べるとその巨大さがわかるでしょうか。
落差50mと言われていますが、もっとあるような気がします。かなり大きい。
最上部のアップ。くらげのような氷の造形が美しいです。完全氷結はしておらず、中央部は水が流れていました。
振り返るとさきほどまでいた展望台が小さく見えていました。
午前中かつ曇天だったのでここまで近づきましたが、落氷があると一発アウトな場所なので、写真を撮ったらダッシュで逃げます。
さらに古道をたどって、落ち口までやってきました。
自撮り棒をめいっぱい伸ばして撮影。左側の氷柱が琵琶の滝氷瀑の最上段、下の雪原はさきほどまでいた滝つぼです。かなりスリリング。
続いて上流を目指し、中の滝へ。正面が中の滝の氷瀑。この日は流れが出ていました。また、右側にも氷瀑が出来ていました。右側は無雪期は気にもならない場所だったはずですが、まるで景色が違うのが面白いですね。
中の滝の左側は半洞窟のようになっており、ユニークな景色が楽しめます。
氷柱群が美しい。
手前にうつっているのは氷筍(ひょうじゅん)。まさに氷の筍(タケノコ)です。
氷筍は上から滴った水滴が凍って形成されます。こちらは水滴がちょうど枝の上に落ちたようで、枝から氷筍が生えているというなかなか珍しい光景でした。
とはいえ頭上は巨大ツララがロックオン状態なので、やはり写真をとったらダッシュで逃げます。
帰路、ツララと氷筍がいままさに繋がり氷柱が出来上がろうとしているシーンを見かけました。豪快な氷瀑もいいですが、その日限りの思わぬ景色との出会いも印象に残りますね。
ちなみに無雪期の様子はこちら。
詳しくは山岳雑誌「岳人」2020年8月号に掲載されています。
すごい氷瀑が見られるらしいという話は以前から聞いていて、気になっていた場所ですが、ようやく訪れることができました。山深い印象のわりに意外と標高が低い(琵琶の滝で標高約900m、中の滝で約1,000m)ので、凍結のシーズンはあまり長くはなさそうですが、うまくチャンスをとらえられてよかったです。トラバースなどもあり技術的にはアイゼン、ピッケルの練習にもよいコースだと思いました。アプローチに難はありますが、それだけに滝と出会った時は感動しました。実物は写真の100倍迫力があるといっても過言ではありません。これが我が家からすぐの距離にあるということに、あらためていいところ住んでるな~と感じ入りました。
やまちゃんが生誕3周年を迎えました!
\おかげさまで3周年/
2021.1.11
ちくちゅー登山ガイドサービスのマスコットキャラクター、やまちゃんが生誕3周年を迎えました!
これもいつも応援していただいている皆さまのおかげです。本当にありがとうございます。
そしてやまちゃんのもとに“こやまちゃん”がやってきました。
これからもやまちゃんをよろしくお願いします!
冬の明神平は霧氷の森
本日はM社のツアーガイドを務めさせていただき、台高・明神平へ。
厳冬期とは思えない無風状態で、絶景を存分に堪能できました!
曇天のおかげで私たちが到着するまで霧氷が残っていたのは幸いでした。お昼には晴れ間も覗き、気温の上昇とともに霧氷はどんどんと落ちていきました。
一瞬の芸術ですね。
台高山脈・薊岳でアイゼン&ピッケル練習
1/8(金)、この冬一番の大寒波が到来する中、台高山脈の薊岳1406mに登ってきました。
アイゼン・ピッケルの練習となるトレーニング山行というリクエストをいただき、当初は大峰・伯母谷覗を予定していましたが、ラッセルのため時間切れとなる可能性が高いと判断し、比較的雪の少ない台高へと転身しました。とはいえ前夜、前々夜と2晩降り積もった雪はそれなりに多く、スノーシューハイクも楽しむことができました。
メジャーな明神平の近くにあって地味なイメージの薊岳ですが、実は標高1400mを越え、高見山や三峰山、池小屋山をしのぐ高峰です。冬季は大又林道終点から北尾根を直登するバリエーションルートか、明神平からピストンする方が多いようですが、今回歩いた西尾根ルートは関西の山では珍しいナイフリッジを体験することができ、トレーニングや腕試しにはぴったりのルートです。
登山口は標高約400m。ここから頂上まで標高差1000mの登りが始まります。
植林帯の中の林道歩きからやがて山道へと変わります。途中、視界がひらけるところも。
かなり低温で木々も寒そう。
雪山マメ知識をあれこれ喋りながら植林帯の中を登っていきます。大鏡池手前で雪が増えてきたので、各自スノーシュー、ワカン、スーパーカンジキを装着。大鏡池はすっかり雪に埋もれていました。
大鏡池から先は自然林となり、傾斜が落ちて歩きやすくなります。
木屋ノ尾頭を過ぎたコルでアイゼン・ピッケルにチェンジ。この先は雰囲気が一変し、岩場のナイフリッジとなります。
目指す薊岳。なかなか格好いい山です。
薊岳は雌岳・雄岳の双耳峰。急斜面を乗り越えて、まずは雌岳に登頂!
雌岳からの下りは足元が切れ落ちているところもあり、緊張させられます。
無事、本峰の雄岳登頂! 東西に細長い山頂からは周囲の山々を見下ろすことができます。
下降は慎重に。
満喫しすぎて、ナイトスノーシューハイクのおまけつきでした(笑)
マイナーな山だけに誰にも出会わず、トレースなしの雪山を歩くことができました。関西でアイゼン・ピッケル練習ができる貴重な山として、おすすめです。
自然公園指導員に委嘱されました
このたび、環境省自然公園指導員と奈良県自然公園指導員に委嘱されました。
自然公園や指導員について、以下に自分メモを兼ねてまとめておきます。
自然公園って?
普段あまり意識することはないかもしれませんが、有名な山はだいたい国立公園や国定公園になっています。吉野山や大台ヶ原は吉野熊野国立公園ですし、三峰山や曽爾の山々は室生赤目青山国定公園に含まれています。
興味のある方はこちらに範囲などが載っています。
↑吉野熊野国立公園。「地図裏」のPDFが範囲図。
↑奈良県内の自然公園の概要
環境省の事業をさせていただいたり、西大台の経緯を勉強したりして感じるのは、現在の自然はそれを守る人々の努力があってここまで来ているということです。
例えば「吉野熊野国立公園の父」と呼ばれている岸田日出男さんがいなければ、吉野の山々は開発の波に飲まれて現在と違った姿になっていたかもしれませんし、西大台の利用調整(簡単にいうと入山規制)は自然公園法がその根拠となっています。法律の陰にはさまざまな議論や実働部隊となった職員の方がいたはずです。
↑岸田日出男さんについて詳しくはこちら
↑自然公園法。利用調整地区については第十五条以降に記載。
その経緯に思いをはせると、日常生活とは関係なさそうな「国立公園」「国定公園」というものにも少し興味がわいてくるのではないでしょうか。当時の人々が愛した自然を壊してはいけないという気持ちにもなります。
指導員とは
「指導員」というと何か偉そうな感じがしますが、実際には何か強制力があるわけではなく、あくまでボランティア的な活動となります。
環境省の指導員手帳によると、指導員とは「国立公園及び国定公園の保護と適正な利用の推進のため(略)、公園利用者に対し公園利用の際の遵守事項、マナー、事故防止等の必要な助言及び指導を行うとともに、必要な情報の収集及び提供を行う」ものだそうです。
他にも手帳には、かつては指導に重きを置かれていたものが、時代とともに役割が変化し、より楽しむための助言や情報収集が業務内容に付け加えられたと書いてあります。裏を返すと、だんだんマナーが向上していき、指導の必要が薄れてきているということなのでしょうか。
指導にしても助言にしてもまずは自分が法律や現地のことをよく知っていることが重要になってきます。それぞれ推薦いただいた方の期待に応えられるよう、より一層の自覚をもって勉強を続け、これからも活動していきたいと思います。
こまどりケーブル「こまどりのen」に出演しています
こまどりケーブル株式会社のオリジナル番組「Koma-TV」内「こまどりのen(縁)」コーナーにて取り上げていただきました!
奈良県南部東部エリアのみでの放送となりますが、1月1日~31日まで毎日夜22:00から15分ほどの映像になります。
2016年のヒマラヤ遠征時に資金稼ぎでアルバイトさせていただいていた、東谷製作所の東谷大輔さんにご紹介いただき、出演となりました(ありがとうございます!)。
大学で登山に出会ってから川上村に至るまでの経緯、ツアーの様子などコンパクトにまとめていただいています。
2月、3月も川上村の若手事業者が出演する予定と聞いています。放送エリアの方はぜひご覧ください!