奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

2023年の振り返りと2024年の展望

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

年明けから能登半島地震などショッキングなニュースが続きあまり浮かれる気にもなれなかったのですが、書き残していた昨年の記録もアップできたことですし、そろそろ去年の振り返りと新年の抱負をあげておきたいと思います。

2023年はなんといっても春のヒマラヤ遠征が大きなトピックでした。2020年に5400mまでで終わったジャルキャヒマール6473mへ再挑戦。前回と異なる尾根ルートを選択し、結果としては東峰手前の6300m地点にて撤退。出直した氷河ルートでは仲間がクレバスに転落し5550mまでと、今回も登頂することは叶いませんでした。

自分はキャラバン序盤から発熱し、ベースキャンプ入りしても高所順応がいまいちでなかなか辛い遠征となりました。救いは尾根ルート最終キャンプの5600m上では意外と動けたこと、氷河ルートでは約25kgのボッカをこなせたことですが、いずれも一時的なものであり、自分自身の弱さを突き付けられました。

帰国後も体調不良に悩まされたこともあり、神経をすり減らすような山に疲れた反動と、これを機に体を作り直し苦手分野だったクライミングに取り組もうということで、2023年下半期はフリークライミングに打ち込みました。おかげで年末に5.11aという人生最高グレードを達成することができ、一区切りついたように思います。グレード更新もそうですが、クライミングというスポーツに打ち込むことでいろいろな発見があったことも大きな収穫でした。

仕事の面では、国際マウンテンリーダー連盟(IML)認定のIML ハイキング・トレッキングガイド資格という国際水準の登山ガイド資格を取得し、その講習会で知り合った方と9月にノルウェーからのインバウンド登山ツアーのガイド(槍ヶ岳と富士山でした)を担当させていただいたことが大きな経験となりました。9月のツアーに備えて8月から勉強し始めた英語は3日坊主にはならず、いまも継続しています。

コロナ禍明けということで周囲でもインバウンド熱が高まっており、秋~冬にかけては行政のインバウンド向けモニターツアーに参画するなど、仕事の幅が広がってきました。ただ語学力と経験の不足が大きな弱点となっている自覚はあり、今後の学習を積み重ねていきたいと思います。

11月には娘の七五三を無事に迎えることができました。12月には遠方に住む祖父に娘(曾孫)の顔をひさしぶりに見せることができ、平穏な日々の有難さをあらためて感じる今日この頃です。

 

2024年は昨年積み重ねたクライミング力をベースに、公私両方の山において底上げを図っていきたいと思います。あと、実は昨年お盆に痛めた右手中指の関節がまだ痛いので、それを治したいのと、これ以上不調箇所をつくらないようにしたいですね…。今年はいろいろな種類のクライミング&登山を偏りすぎないよう、幅広くやっていきたいものです。

 

*昨年の振り返りはこちら

chkch.hatenablog.com

2023年11月後半~12月の岩まとめ(人生初11a!)

実は年明けに書いているシリーズ第3弾で、今年のフリークライミングまとめです

11/24 椿岩
御在所に続き山梨の仲間と。晴れ続きで今シーズン一番岩が乾いておりフリクションがよく感じました。が、クライミング能力では自分より数段上のはずの仲間が「足が信用できない」と苦戦していたので、岩質慣れというのはあるのだなと思いました。

・アスレチッククラブ 5.9 ○
・マタマタ 5.10c ××○ ←10c2本目!
・マリエンタール 5.10b ×TR

以下、マリエンタールのムーブメモ
穴ガバの下を右手の逆手でもって左手をもつ。左手は穴に入れずにその上の面と穴とでピンチな感じでもつ
左足をきって右足を穴ガバの下にいれて右手をのばしとりにいく
左足をおもいっきり上げる
右足をあげる
体勢直しながらあがって最後はクロスで左手を出してガバへ
終了点は左側にまわること

11/29 横谷の岩場

ガイドの先輩に久々の横谷の岩場に連れて行ってもらいました。コロナの間にフリールートが増えたそうで、時代を感じるルート名が印象的でした。岩質は風化花崗岩というらしく、確かに風化を感じます。足がかけて1回不意落ちしたのには焦りました。

・エナちゃんハーイ 5.9 mFL ミニハング越えが楽しい。
・アマゴ 5.10a mOS 出だし核心。濡れていて焦ったが登れた。上部はほどよいスラブ。
・ワクチン 5.10d × ハング越え後のクリップが恐怖。上部スラブでA0してとりあえず抜けた。
・オンライン 5.10b mOS ハング越え核心。伸びあがるとガバがある。
・ワクチン 5.10d ×○ 足がかけて1回フォール。気を取り直して再度挑戦、完登。一応これでグレード更新だがやや左に逃げたので実は10cくらいか?
・オーバーシュート 5.10d × 出だしから全然できず
・ステイホーム 5.10b × 出だしボルダー。1ピン目かけたところで次のガバに手が出せず敗退。

12/8 椿岩

そろそろ11a触りたいと思いつつ、まだマリエンタール5.10bが登れていないのでまずはそちらへ。これが作戦ミスでマリエンタールは登れず、腕力もそれで終わってしまい散々でした。とはいえ椿岩の11aは2本あるもののどちらも出だしがカブっており厄介そうで、手を出せなかった自分の実力がそれまでだったといえばその通りかもしれません。前日の小雨のせいか、南から湿った風が入ったせいか全体的にぬるい風がふいておりぬめりを感じる1日でした。
・アスレチッククラブ 5.9 ○アップ
・マリエンタール 5.10b ×△××
1回目:手切って2ピン目で下降
2回目:一回落ちるもできた
3回目:テンテン、左手がしっくりこない
4回目:ヨレていて不可。下りながらトンキーハンテンにTRをかける
・トンキーハンテン 5.10b TR
ボルダリー。プリクリ棒が欲しい。上は楽。

マリエンタールメモ:左手の持ち感を探る→右手をしっかり持つ→一気に左足をあげる→右足あげて踏む→左足を出す

12/18 白嵓
マリエンタールに未練がありましたが、そろそろ椿岩が寒そうなので白嵓へ。10月に見つけた巨大スズメバチの巣は東さんが落としてくださったという情報があり、今後は右側のルートも触れるかなと思いましたが、まだハチの残党がウロウロしていたのであまり右側には寄らず。
・まっ黒クロスケ 5.10a 再登
10月に登った際ヌメって気持ち悪かったのでいまなら快適に登れるかと思ったが、そうでもなかった。下部が微妙。
・仙人掌 5.10a RP
一年前にTRで触り可能性を感じていた課題。ハング越えの足の乗り込みが辛かったが、「(パンプするこのルートを)もう一度やくたくない!」との一心で声を出してクリア。充実の1本となった。
・ヤボテン 5.10b ×→RP
サボテンの途中から分かれて右上していくルート。
分岐すぐのトラバースが分からなかったが、最近触っていた椿岩のマリエンタールのクロス取りがヒントとなりムーブを見つけることができた。落ち着いて見れば足もある。トラバースの後にピンが遠くメンタル核心な気がする。実際一度落ちて振られヒヤッとしたが、もう一度やってクリア。その後はガバを掴んで登る。パワー系だがサボテンほど辛くないので、やはりトラバース核心な印象。しっかり休んで2本目でRP。クイックドローの回収が大変だった…。それはともかく、10bを2トライで登ることができ自信をつけることができた。
・寄り道 5.11a TR
11aを体験したくTRを張ってもらってトライ。前傾壁のパワー系。ところホールドが遠くリードするイメージはもてず…。腕のトレーニングにはなった。


12/20 白嵓
本当は別の予定が入っていたのですが1度それをキャンセル後、急遽予定変更で出かけられることになり、白嵓へ。念願の11aをRP!!
・寄り道 5.11a
TR1回目
この日の目標を定めておらず、アップに簡単なルートを触ろうか迷ったが、この日は前夜の雨の乾き待ちで遅めの時間に岩場に着いたこともあり、時間が惜しかったのと話の流れでTRをかけてもらえたので取り付くことに。
1ピン目周辺の左手で水平クラック内の小さな突起をつまみ右手を出すところで早速つまるが、左手に使うホールドで、前回使ったものよりいいものが見つかり解決。
2ピン目上の遠い右手出しはアンダーから一気に飛び出すことで解決。3ピン目を越えて終了点手前の左に移るところは、前回よりさらに左側を探ったところいいホールドが見つかり新しいムーブが構築でき解決。
…これ、頑張ったらいけるんじゃないか?という気がしてくる。
TR2回目
1回目のムーブを繋げることを目標として取り付くが、2ピン目上の遠い右手出しができなくなりハマる。正対で伸びあがっているのをカウンターバランスでスタティックなムーブに変えてみるが、右手は届くがパツパツでその後動けなくなる。
かなり試行錯誤した末、結局正対でもそろりそろりと伸びあがれば右手は普通に届くことに気づき解決する。あまり覚えていないが、たぶん左足を切らずにちゃんと踏ん張るのがコツだったような。あとは右手を伸ばして下から弧を描くように出すとよかった。
ちなみにその上の次の右手も遠いが、これは気合いで毎回取りにいっていた。
…次はリードだなと思って下りる。
RP
とりあえず高度感に慣れるつもりで、どうせテンションは入るだろうけど…というつもりで取り付く。
1ピン目、2ピン目まで順調。その辺でおっ、まだ落ちてない?と気づくが色気を出すなと自分に言い聞かせる。
2ピン目上の遠い右手出しも成功。そのあとの足のおき直しが気持ち悪いがこれもうまくいき、3ピン目をかけ気合いで遠い右手を取る。とれた! 思わず声が出た。
左にうつるところで初めてレスト。このあとも苦しい数手があったが、無事にこなして終了点にクリップ。できた!?
もう1日くらいかかるだろうと思っており、まさかこのトライでできるとは思っていなかったので自分でも驚いた。

かつて東大スキー山岳部は11代が登れないと山に行かせてもらえなかったという話を聞いてから、アルパインの土台としてフリーで11を登りたいと思っていた。ネパールから帰ってボロボロの体のリハビリがてらボルダリングジムに通うようになり、今年はフリークライミングをやろうと決心(メンタルのすり減るような大きな山に疲れていたというのもある)。夏まではボルダリングジムで登り、残暑の頃はリードジムに行き、秋から本格的に外岩へ。当初は今年は10b登れれば十分と思っていたがそれを早々に達成してしまい、ひそかに次の目標として11aを登ることを考えていた。ので、これにて目標達成。初めての11aがしっかりと内容のあるルートでよかったと思う。これで山にいけるという気持ちもあり。

・道普請は慌てずに 5.10c TR
まだそれほど疲れていないつもりだったが実際取り付いてみると全然ダメで各駅停車。特にコルネ状の上の右手ガストンが全然もてず、未解決。その上の岩の雰囲気が変わってからもパワフルな感じで疲れた体には辛かった。フレッシュなときにぜひやり直したい。終了点がカラビナ1枚だったのでボルトについているリングにかけ変えして下りた。次は残置ビナを1枚用意して足した方がよさそう。


12/30 名張
ブログにはあげていませんでしたが9月に1度、ひさしぶりに名張に連れて行ってもらっていました。そのときはサニーサイドのこれなんですか5.10aで1時間くらい宙づりとなり散々だった覚えがあり、あまりにクラックから離れすぎていてどうかなと思っていたのですが、フェースで体幹が鍛えられたのか思っていたより登れました。
・クラックベイビー 5.7
1回目TR、2回目TRでカム練習しつつ、3回目リードRP(再登)
メモ:カムは手持ちのトランゴ1セットでいける。トランゴ1と9は使っていない
名張入門 5.9 TR×2回

名張入門ムーブ
出だしはサーフライダーから取り付く
名張入門に乗り移るとき注意
最初は右差しで上にあがる
クラックがまだ広いうちに両方差して方向転換
Tスタックであがっていく
最狭部の上にハンドが決まればそのまま正対で上がる(ここもう一度右差しだったかも?要確認)
右のホールドに手が届くがそこから数点まだ正対であがる
すると右のホールドに足が届くのでそうすれば右手がガバに届く
ガバを頼りに足をあげてゴール

ギアメモ:

カムが歩かないようにするためにクイックドローを使う
トランゴはスリングがのびるのでそれでもよい。本体が動かなければよい

クラックベイビーはクイックドロー使わずにリードしたが、スリングの延長やカラビナの方向転換で時間かかったので、クイックドロー使った方がいいのでは

 

ということで下半期は人生初の5.11aというグレードが登れたことが大きなトピックでした。↑にもいろいろと書いていますが、インスタの方でも当時の心境をまとめています。今年の夏は沢登りを一切やめてジム通いを続けるなどある程度他のものを犠牲にしていただけに、年内かけこみでひそかな目標が達成でき、報われたシーズンとなりました。

 

www.instagram.com

 

 

御在所 中尾根クライミング P4~P1全6P

11/22(水)

前回の後尾根に続き、実は年明けに書いている記事シリーズ(?)第2弾です。

以前から気になりつつずっと踏み出せなかった念願の中尾根へ行ってきました。結果、自分にはかなり負荷の高い山行ではありましたが、ひさしぶりにアルパイン的なクライミングができ、やっぱり気楽なフリークライミングだけでなくこうした登山を積み重ねていかないとな、と身にしみた1日となりました。経験豊富なパートナーに感謝です。

↑の写真は既に中尾根に取り付いてからのものですが、この日は最高のクライミング日和。

前夜、各々テント/車中泊し、この日は裏道登山口に集合。藤内小屋を経由し一の壁へ。一の壁でザックを1つにまとめた後、中尾根バットレスの基部をトラバースして、1ルンゼ右俣を横断。この先で悩みました。

当初はP4基部を巻いてP4取り付きまでいこうと考えていましたが、笹薮を掴みながら下降する微妙に悪そうな箇所(落ちたらダメ)があり、そこを避けて岩場の隙間をトラバースすることに。するとP4の1P目終了点に出たため、ここにザックをデポして懸垂し、取り付きを目指すことにしました。

が、ここでトラブル発生。懸垂したのはいいものの、ロープの結び目が挟まってしまい回収不能に。パートナーが登り返してくれ、再度懸垂し事なきを得ましたが、時間をロスしてしまいました。もう少し壁から離れてロープを引けばよかったか?と反省……。

気を取り直して1P目スタート。先ほどの登り返しでパートナーは実質登っているということで、自分がリードすることに。

この後交互にリードを交代していきましたが、P2の崩壊したパートやワイドクラック的なP1など、比較的難しいところが偶数ピッチの方にまわってくるので、自分は奇数担当でよかったです。

1P目は無難にOS(FL?)し、2P目はパートナーリード。ここだけ写真が残っていませんが、特に難しいものではなかった気がします。終了点からはクライムダウンしてP3取り付きへ。

3P目、自分のリードでP3のてっぺんまで。1つ目の終了点をスルーして2つ目の終了点まで伸ばしました。短く懸垂してP2取り付きへ。

4P目、P2の取り付きは崩壊してアブミを使うのが定番と聞いており、私たちもアブミを持参していましたが、パートナーはアブミなしで突破。写真中央やや右の挟まっている、一見かなり不安定そうな岩に体重をかけるのでなかなか見ていてこわかったですが…。実際には安定しているように感じられましたが、いつかはこの岩も落ちるのでしょうか。トラバースが入るのでフォローでも結構怖かったです。

4P目のフォロー。崩壊箇所を抜けると簡単になりました。

5P目。P2の2P目ということになります。1つ目の終了点をスルーしてさらにロープを伸ばしましたが、だんだんロープが重くなってきたのもあり、↑写真に写っている最後の支点(アルパインクイックドロー)を過ぎたところでフォール。登れない、となったときに戻ってドローを掴もうとしたのですが、判断が遅く腕がもちませんでした。アルパインで避けるべき本気フォールをやってしまいかなり反省……。フリーにこだわりすぎました。この後、もう少し探りましたがやはり登れず、結局A0して抜けました。さらに残置スリングがかかった2つ目の終了点もスルーし、一番てっぺんの終了点でビレイ。

↑5P目をフォローするパートナー。背後がP3です。

P2のてっぺんに着いた時点で結構いい時間だったのでP1は割愛するのもありかな?と思いましたが、モチベーションあふれるパートナーは「いきましょう!」とのことで続行決定(おかげでよい経験ができたと思ってます!)。懸垂してP1取り付きへ。

最後は懸垂して取り付きに戻ってくるため、リードもフォローもザックを置いていきました。最後の6P目はパートナーリードでしたがかなり苦戦しており、1回テンション。ワイド的な感じでヘルメットを外して越える場面も。フォローした自分もなかなか辛く、名張のクラックを思い出しました。2ヶ所核心部があり、身体のサイズによって2人で感覚が違ったのが面白かったです。フォローはまだ気楽ですが、支点も取りづらく、P1だけそれまでのピッチに比べ一段と難しい印象です。

P1の終了点にて。お疲れさまでした!

が、まだまだ気が抜けません。まずP1の取り付きまで懸垂1回で戻ります。その後、P2の側面をマイナスの滝の上へ懸垂1回。今回はハーフロープ50m×2本でしたが、マイナスの滝上への懸垂は50mだったのでちょうど届いた、という感じでした。

少しだけ登り返し、P3・P2のコルへ。ここから1ルンゼ右俣へ通算3回目となる最後の懸垂。50mいっぱい下り、あとはクライムダウンを交えながら下ると往路のアプローチに合流し、一の壁のザックデポ地点まで戻りました。

↑暗闇の中、最後の懸垂。

ライトを点けて下っていったわけですが、ここで結果的に一の壁へのよりよいアプローチを発見できました。以下自分メモより

フィックス通ってから小滝下りずに右岸沿いの岩棚下降
巨樹ありそこからも右岸岩棚下降
これで本流戻れた
行きに本流わたったところですぐ右岸入ればよい。こっちの方が安全
テスト岩前のワンポイントいやな登りをする必要がない

というわけで次回は登山道を外れてすぐに右岸に入ってみようと思います。

 

このところ整備されたゲレンデでのフリークライミングばかりで、今回のようなプレッシャーのかかるアルパイン的な山行はひさしぶりでした。先を見越して動くことや、判断の連続でだんだん体だけでなく脳ミソが疲れていく感覚など、やはりアルパインはグレードだけでなく経験がモノをいうことを思い出しました。

ヘッデン下山が確定したP1以降はなかなか自分にとってはくたびれましたが、パートナーのおかげでよい経験が積めたと思います。将来は自分がリーダーとして再訪できるよう頑張りたいと思いました。

これで1年の間に御在所の前・中・後の各尾根を登ることができました。まだまだ御在所には遊べる場所がありますし、本当に近くてよい山だと思います。

 

使用ギア

ハーフロープ50m×2
カム キャメロット0.3~4番、トランゴ5~9番(キャメ0.75~4相当)
ヌンチャク×7、アルヌン60×4、120×2
ナッツキー×1

 

時間記録

7:35裏道登山口・発~8:05藤内小屋~9:05中尾根バットレス基部~9:20 P4の1P目終了点より懸垂下降準備~10:30頃、1P目登攀開始~13:00 P2取り付き~15:00 P1取り付き~16:30 P1終了点集結~17:15 P3・P2のコルより最後の懸垂下降~18:10藤内小屋~18:35裏道登山口

 

参考url

アプローチや概念の把握に大いに参考にさせていただきました。

kyokarakimiwa.com

御在所 後尾根~富士見尾根~立岩~砦岩 周回

11/21(火)

この記事を書いているのは実際には2024年1月なのでかなり今更なのですが、秋の記録をアップしておきたいと思います。春にヒマラヤ遠征に一緒に行った山梨のメンバーが遊びにきてくれ、鈴鹿で何日か登ろうということになりました(もともとは大台ヶ原のサマーコレクションも候補にありましたが、時期的に遅すぎということで変更に)。

パートナーからの提案で11/21は御在所の後尾根、11/22は中尾根、1日挟んで11/24はサマコレから変更で椿岩でフリークライミングという鈴鹿尽くしの3日間に。

まずは後尾根の記録から。

鈴鹿スカイライン沿いの中道駐車場に集合して、8:30過ぎに出発。平日なので空いているだろうと高をくくっていたらどんどん駐車場が埋まってきて驚きました。さすが鈴鹿、大峰とは違いますね。

中道から峠を越えて裏道に合流し、藤内小屋を経由して藤内沢へ。当初は後尾根を登った後、鎌ヶ岳まで縦走して周回するプランだったので中道スタートとしましたが、後尾根だけで下りるなら裏道からアプローチした方が楽だと思います。

ブログにはあげていませんが3月に前尾根を登りにきていたので、藤内沢の地形はまだ記憶に残っていましたが、前尾根取り付き手前に出てくる左岸の岩がワンポイントいつも怖いですね…(この翌日、中尾根から下山時に歩きやすい右岸沿いの道を発見しました)。

もしかして学生時代ぶり?に一の壁へ行き、岩場を正面に見て左奥より後尾根ルートへ入っていきます。一の壁ではアイトレしている人がいました。

アプローチに不安があったのですが、すぐに尾根状になり後尾根にちゃんと乗ったことを確信。一の壁や前尾根方面の展望が素晴らしかったです。

後尾根自体はアルパイングレードII級程度の簡単な岩ですが、フリーで各々サクサク登感じとなり、逆にしっかり確保しようとすると壁というより尾根だけに難しい気もしました。ところどころボルトや残置があるので、それを使えばいいのでしょうが。

アイトレに使っている記録も散見されますが、アイゼンで登るのは自分にはまだちょっと怖い感じがしました。

下部は露出感のある尾根で展望は最高です。

こちらが核心部とされるチョックストーン。この手前から難しそうに見えたので、まず自分がリードしましたが、8mm×30mロープだったので手前でピッチを切り、こちらはパートナーリード。途中に残置支点あり。なめていたら微妙に悪くて焦りました。。

チョックストーンを越えると尾根上の広場となりました。これで実質登攀終了。この後まだ岩尾根かと思っていたので今回は休憩をとらず進んでいきましたが、実際にはこの後は薮尾根となり、この広場で休んでおけばよかったです。

中道登山道に出て、少し下り、8合目付近よりお次は富士見尾根へ。登山道では巻いている岩稜を直登していきます。

↑登山道から見た富士見尾根の岩稜。

少しだけ巻いて、尾根の側壁をあがる感じでロープを出しました。↑写真の中央やや左のくぼみから尾根に上がり、奥に向かっていくイメージです。非常に短くこちらも2ピッチで終了でしたが、意外と渋く、単独で行っている記録もありましたが自分的にはフリーソロは怖いなという印象でした。

登山道に合流後、もう一度8合目まで下り、そのまま中道登山道を下ってサイコロ状の地蔵岩を見学し、少し戻って立岩見学へ。立岩へは登山道を外れるのでそのポイントがわかるかなと気にしていましたが、木に標識が括り付けられており、わかりやすかったです。

不思議な形状の立岩。こちらも昔は登られていたのか周囲の岩含めて古いリングボルトなどが見られました。

そのままテープを参考にしながら尾根を下り、砦岩を経由して藤内小屋に戻り、あとは往路をたどって中道駐車場へと帰着しました。

 

今回パートナーに提案されるまで存在すら知らなかった後尾根ですが、容易な岩歩きで、岩に親しむにはよいコースだと思いました。積極的にロープやお助けスリングを出すことでリーダーの練習場としても使えそうです。立岩・砦岩を絡めると奇岩見学コースとしても面白いですね。

 

詳しい時間記録はヤマレコをご覧ください↓

 

計画にあたってはこちらの好日山荘ブログを参考にさせていただきました↓

https://www.kojitusanso.jp/tozan-report/detail/?fm=30072

シーズン3回目の椿岩で「燃えろ!ドラゴンズ」5.10cをRP!

11/8(水)

2週間ぶり、シーズン3回目の椿岩に行ってきました。今回のお目当ては前回登れそうな感触のあった「燃えろ!ドラゴンズ」5.10c。11/6(月)~11/7(火)早朝にかけて雨があり染み出しが心配で、実際少し染み出している部分もありましたが、おおむね快適に登ることができました。

まずアプローチでデカめのカニを見つけてびっくり。小さい沢蟹なら見かけるけどこんなの初めて。。

いままでは貸し切りでしたが、今回は珍しく他のパーティの方がいらっしゃいました。近隣でジムをされている方で、木の棒を使ったプリクリップの仕方を教えていただきました。「これだけ教えてできなかったら松阪牛おごりね」というプレッシャーがあったので、緊張しましたが…。笑

 

それでは本題の登ったルート↓

マタニティ 5.9 再登

アップに。短いのでいまいちアップできてない感あり

燃えろ!ドラゴンズ 5.10c ×

ヌンがけがアップになるだろうと取り付く。案の定まだ体が動かず、怖さもあり各駅停車。上部では2手連続でガバが濡れており一瞬「今日は無理か?」と思うも、これくらいで諦めちゃダメだとがんばる。最後の右手カチを握り、左手の大ガバから先がわからずテンションを繰り返すが、結局一番シンプルに乗り込むムーブに落ち着く。

燃えろ!ドラゴンズ 5.10c RP!!

プリクリ練習を挟んで大レストをとり、いざ。上部までは比較的順調。レストをとるべきところでは休めたと思う。最後でパワーを失いかけるが声を出して乗り切る。完登! これで10cは2本目。最初の白嵓でのロック・オブ・ザ・リングが体感10cないようなルートだったので、ようやく本当に10cを登れた気がして嬉しかった。

アスレチッククラブ 5.9 ×

同行者用のTRがけに。もう疲れており無理せずテンションを挟みながらいく。同じ5.9のマタニティよりホールドの感じがよく、少し長さもあるのでこちらの方がアップ向きな気がした。

マタマタ 5.10c TR 

他パーティの方にTRをかけていただき、アドバイスをもらいながらムーブを探る。最後はリーチ問題にぶつかり悩んだが結局ゴールのガバに飛びつくことに。一応ムーブはできたが、これがリードでできるかどうか…?

 

まだ左端の5.10bが2本とも残っているものの、5.10cが登れたことは収穫でした。ようやく岩質に慣れてきた感じがあり、この調子で今シーズンのうちにもう少し通いたいものです。

 

「燃えろ!ドラゴンズ」5.10c RP後の一枚(正面のライン。広角なので出だしの被り部分が強調されてますが)

日本山岳会ユース交流会 in 岐阜

11/3(金・祝)~5(日)、日本山岳会のユース交流会が岐阜県は高木山、伊木山の岩場で行われ、関西支部メンバーとして参加してきました。


全国の支部が集い、一緒に登り夜は交流を深めた3日間。いろいろありすぎた夢のような時間でした。
個人的には1年ぶりに再会した他支部の方の成長っぷりに大いに刺激を受けました。ポジティブな意味で自分も頑張らないと!と素直に思いました。


最終日、ロープ回収の都合上自分が最後に登る番となり、皆さんに見守られ足をガクガクさせながらも伊木山テラス直上ルート 5.10b をレッドポイント。声援が力に変わることを実感しました。
何気なく取り付いたルートでしたが、思い出に残る1本となりました。

来年が今から楽しみです!

 

(以下、登ったルートの記録↓)

11月3日 高木山 岩尾根エリア ※チャート。全体的にもろい

97号線 5.8TR 容易でアップ向き。上部ワンポイントだけバランシー
赤壁もどき 5.10a TR 上部薄被りの赤壁部分が楽しい
赤壁もどき 5.10a RP
ディエードルがお好き 5.7 TR 足を開いて登っていくのが面白い

11月4日 高木山 岩尾根エリア

97号線 5.8 RP
エラスティック・ダミー 5.10ab × 長いが基本容易で核心だけのグレード
エラスティック・ダミー 5.10ab RP 初見でムーブを探った甲斐ありRP
ブルース・ブラザース弟 5.10a TRノーテン カチ。TRに頼った登りでリードは無理そう…
森のちから 5.9 mOS 5.9ながらクライミングらしい動きがあり面白い

11月5日 伊木山 ※チャート。高木山より丸っこくツルツルしている印象

キャタピラA 5.8 FL 容易。アップ向き。終了点ボルトのみ
クラック登り 5.9 FL 1ピン目が高い。朝イチだと怖いかも
ルースロック 5.10a mOS 3ピン目の左側は手で使わない限定ありと後で聞かされる…。足はOKらしい。再登する気力なく、自分としてはよしとする
テラス直上 5.10b × 右往左往しながら各駅停車で。序盤と終了点直下が難しい
テラス直上 5.10b RP!! 最初よりシンプルなムーブで直上できた

 

桃太郎公園キャンプ場にて集合写真

”伝説のクライマー” 池田功さん登場。言葉の重みが違いすぎました…!

赤壁もどきの出だし

赤壁もどき核心部。左隣のカンテがエラスティック・ダミーのライン

ルースロックに取り付く松原ガイド

テラス直上RPトライ開始…!(左側が自分)

お初の梶賀の岩場で外岩シーズンイン

10/6(金)

ブログアップがすっかり遅くなりましたが、10月の頭に尾鷲の「梶賀の岩場」へ行ってきました。

今年は外岩リードがんばるぞ~と思い5月からボルダリングジムで登り、8月末~9月の間はまだ暑いのでDボルダリングでリード練習に取り組んでいました。10月に入って今年はまだまだ暑いものの、そろそろ岩を触りたいということでようやくアウトドアへ。

結果、尾鷲はさすがにヌメる暑さでしたが、美しいロケーションのもと岩のモチベーションを上げるのにはいい機会となりました。

 

トポはこちらを参考にさせていただきました↓

yamap.com

つじまいさんのレポを見てとりあえずアリュート5.10aだけは触ろうと決めて行きました↓

https://www.kojitusanso.jp/tozan-report/detail/?fm=25185

 

梶賀入門 5.7 RP
初見、ネット画像の記憶に惑わされラインを誤ってしまいまさかのテンション。2回目でRP。目の前の岩を見ましょうという教訓を得る…。支点回収含めトータル3回登った。

 

アスペクト 5.8 TR
カムで支点をとりつつムーブはフェイスなルート。クラックに挟まるフナムシにビビりながら登ったのであまり記憶なし。。

 

アリュート 5.10a mOS
いいルートと聞いていたので是非やりたかった1本。カンテで露出感があるが右の凹角で休めるので助かった。ホールド豊富で楽しく登れた。

 

ジェットボイラー 5.10c TR
下部はいいホールドが見当たらずグレード以上に厳しく感じた。リードは当分無理そう。

 

梶賀トンネル 5.8 TRノーテン
これもカムで支点をとりつつムーブはフェイスな感じ。

 

どんぎつね 5.10b TR
ステミング練習課題。真ん中あたりがつるつるで怖かった。このときにはもう完全にヨレており辛かったので、元気なときにやり直したい。

 

もう記憶が薄れつつありますが…確か梶賀トンネル 5.8?

これはどんぎつね 5.10b で苦しんでいるところ

アリュート 5.10a、カンテ沿いで目立つルート

無事にオンサイト成功! これは嬉しかった。