奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

【冬の大台ヶ原】大台ヶ原冬期モニターツアーに参加しました

はじめに

2/13~2/14、上北山村が中心となって開催された大台ヶ原登録ガイド対象の「大台ヶ原冬期利用に向けてのモニターツアー」に参加し、冬の大台ヶ原へ入山する機会を得ました。大台ヶ原は通常、12月~4月の冬期期間は山頂駐車場へ至る大台ヶ原ドライブウェイが車両・人ともに通行止めとなり、麓より山道を歩く他入山の手段がありません。貴重な冬の大台ヶ原の姿をご紹介したいと思います。

注意事項

※下記の写真は上北山村が許可を得て実施する事業に同行入山し、撮影しています。

※許可なく転載を禁じます。

モニターツアーの様子

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2/13、上北山村に集合。上北山村役場の遠藤課長よりまずは今回の趣旨説明。

観光が落ち込む冬期、冬の大台ヶ原は観光を盛り上げる要素として大いに期待していること、道路の通行止めや除雪など課題は多いがなんとかやっていきたいと考えていることなど、熱く想いを語っていただきました。

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 その後、昨年関係者で撮影したという冬の大台ヶ原の様子が紹介されました。翌日に向けて期待が高まります。

いよいよ冬の大台ヶ原

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翌日2/14、いよいよ大台ヶ原へ向けて出発。今回は通常閉鎖されているゲートを特別に開錠していただきました。事前の除雪のおかげでスムーズに終点の駐車場へ。

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ついにやってきました、冬の大台ヶ原

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注意事項の確認後、早速山へ繰り出します。

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役場の方によると、今回かなり雪は少ない方とのこと。スノーシューを用意していましたが、結局今回は使わず。

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誰もいない山中には動物の痕跡がたくさんありました。

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てくてく歩いて、展望デッキに到着!

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尾鷲湾方面を望む。

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お次は山頂へ。今回は風がつよく笹が露出していましたが、雪で埋まることもあるとのことです。

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山頂はさすがに寒く、マイナス8℃。

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日出ヶ岳山頂! 仕事として来てますが、テンションがあがっているのは隠し切れない(笑)

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山頂より、大杉谷方面。

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山頂より、正木峠方面。

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山頂を辞して、東大台をぐるっとまわっていきます。正木峠周辺は霧氷が美しい。

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静寂の尾鷲辻。

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大蛇グラはものすごい強風でした。ところどころ氷が張っていて、コンディションによってはかなり危険な状態になりそうです。正面には雪の大峰山脈が横たわっています。

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大蛇グラから望む西大台方面。中の滝は凍結しています。

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私も所属する奈良山岳自然ガイド協会の会長で、地元の山伏の家系でもある岩本ガイドのお話しを聞きながら中道を戻ります。

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ヤマドリの足跡?らしい。

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モグラが通過した跡?らしい。

アニマルトラッキングは雪山ならではの楽しみ方ですね。

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一旦駐車場まで戻り、続いて西大台へ。

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時間の関係でナゴヤ谷往復にとどまりましたが、静かな森歩きを楽しみました。

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最後に一枚。なんだかんだ、楽しむのは大事ということで(笑)

まとめ

まず今回の開催に尽力いただいた上北山村役場の皆さまはじめ、環境省の皆さまなど、関係者の方々に感謝申し上げます。

道路の件や安全管理など課題は数多いことと思いますが、今回、冬の大台ヶ原へ実際に入山し自分の足で歩いてみて、この景色や空気には大変な価値があると感じました。

小難しい話ですが、大台ヶ原は自然再生推進計画の中で、それまでの「観光の山」から「ワイズユースの山」への転換がうたわれているところです(ワイズユース=賢明な利用)。大台ヶ原登録ガイドはその具体的な施策の一環であり、登山者の方々に大台ヶ原の現状を伝え、利用と自然保護の両立をはかる担い手であると自分自身は考えています。

そのため、冬の大台ヶ原は単純に珍しい場所に入れてラッキーといった話ではなく、法律や自然保護と現実的な折り合いをつけながら、よりよい形を模索していくべきものであると、この2日間で感じました。

また再び冬の大台ヶ原を訪れる機会を楽しみにしつつ、大台ヶ原登録ガイドとして、自分は何ができるのか、考えていきたいと思います。