憧れの神童子谷で沢登り&キャニオニング
9/2(木)、今シーズン4回目の沢で大峰山脈の稲村ヶ岳から流れ出る神童子谷に行ってきました。大峰では弥山川とともにこの谷が沢登り発祥の地と言われているそうで、以前から名前だけは知っておりいつかは行ってみたいと思っていました。今回は山岳ガイドでキャニオニングガイド、青空ファン代表の橋本さんに連れて行っていただきました。
林道を終点まで入り、装備を整えていざ出発。2か所ほど陥没を過ぎたところで沢に下ります。
曇天だったため写真だといまいち伝わらないですが、水がすごくきれい!! なんとも言えない美しいブルーです。
泳がないといけないところもあり、お借りした3mmのウェットスーツが早速活躍しました。
昔は沢沿いに遊歩道があったそうで、ところどころ痕跡が残っていました。
シャワークライミングを楽しみつつ、たまに泳ぎつつ、どんどんいきます。
紀伊半島大水害のときの崩壊地を過ぎると、“へっついさん”と呼ばれるゴルジュ状の地形に出会います。これは振り返って上流から下流をみたところ。今回の水位は膝程度でしたが、深い時はもっとあるようです。へっついさんを通過すると左岸から湧き水がシャワー状に流れ込んでいて面白かったです。
上流は石灰岩が出てくるようになり、水流で磨かれた滑り台や、
ポットホールが見られました。
そして大きな釜をもつ赤鍋の滝に到着。左岸を登りますがつるつる、ぬめぬめで非常に滑りやすい。今年はお盆に雨が多かったものの、台風のように一気に増水する形ではなく長雨で徐々に水量が増えたため、苔や藻が流されずに滑るようです。
赤鍋の滝の左岸には切れかけたフィックスロープがあり、危険なため残置スリングとあわせて撤去(写真に写っているのはごく一部です)。自前のロープを出して通過しました。
赤鍋の滝のすぐ上にも立派な滝があり、復路はスライダーで滑って帰りました。
その後、しばらく平凡な河原歩きが続きます。入渓点~赤鍋の滝の区間に面白いところが凝縮されておりその後は間延びするので、遡行ではなく水遊びが目的なら赤鍋の滝周辺で遊んで折り返した方がよさそうです。
黙々と歩いて、釜滝2条7mとご対面!
滝のアップ。
遡行するだけなら左から巻けますが、せっかくなので直登にチャレンジ。ランチ後、順番に挑戦しますがなかなか登れず。右の滝の右壁を落ち口に向かって左上するラインですが、上部にいいスタンスがなく滑り落ちて釜に突っ込むを2~3回繰り返しました。ライフジャケット+ウェットスーツで体が守られている感じがあるので、恐怖感は全然なかったですが、装備がないとすぐに体が冷えてしまいそう。
橋本さんはオンサイトで抜け、流石。結局自分は3~4回目のトライで成功し、落ち口に出たあとは2つの滝の間の壁を直上して滝の上に出ました。直上するラインは一応最後にガバがありますが、気づかないとかなり怖そう。上部で落ちると危ないので要注意です。
釜滝の上で沢はすぐ二股にわかれ、左が稲村ヶ岳に突き上げる犬取谷ですが、今回は右のノウナシ谷へ。ノウナシ谷に入ってすぐの4m滝も直登にチャレンジし、これは左壁を一発で登れました。
いい時間になったので、ここからはキャニオニング編。ノウナシ谷入り口の滝は巻き下りましたが、釜滝は上段を飛び込み、下段をスライダーで下降。赤鍋の滝上部の滝も滑り、赤鍋の滝も滑って泳いで、どんどん下りました。
↑赤鍋の滝をスライダーで滑って振り返ったところ
この日は昼頃から小雨で、帰りは水が行きより温く感じ不思議でした。雨水の流入が結構あったのかもしれません。
実は釜滝を滑り降りたときにおしりを打ってしまい、4日たった今でも尾てい骨が痛いです…。滝を滑るのにもコツがあるようですが、あまりうまくできなかったようです。
とはいえ痛い目にもあいましたが全体的には憧れの神童子谷に分け入り、キャニオニング体験もでき非常に充実の1日でした。橋本さん、ありがとうございました。
もし次があれば稲村ヶ岳まで抜けたり、ノウナシ谷~犬取谷の周回なども考えてみたいものです。
<今回の学び>
- 3mmのウェットスーツはかなり暖かい。多少動きづらいが水に入ることが苦でなくなるので、冷水の沢にはあった方がいい。
- 水に飛び込むときは、着水の瞬間に鼻から息を出す。そうすると鼻に水が入りづらい。
- 滝を滑るときは、背中をつけておしりを少し上げると尾てい骨を打ちにくい。らしい…。
- ザックに空気が入っていると、泳ぎのときに後頭部にぶつかってヘルメットが押し上げられ視界が狭まる。ザックを下ろしてビート板的に使うか、お腹に抱えるか、メッシュザックなど空気を含みにくいものを使った方がいい。
- ライフジャケットをつけてハーネスをするとギアラックが全然見えない。ギアは肩掛けスリングで管理した方がいい? もしくはライフジャケットをライフベストなど薄手のものに変えた方がいい?(未検証)
<今回のタイム>
9:15駐車地発~9:25入渓~9:55へっついさん~10:05-10:35赤鍋の滝(残置整備)~11:30-12:30釜滝~12:35ノウナシ谷入り口の滝~12:50下降開始~14:15駐車地