2019年6月17日(月) 奈良山岳自然ガイド協会の安全管理講習会に参加しました!
本日は所属している奈良山岳自然ガイド協会の講習会に参加しました!
当ガイド協会では年に数回、協会のガイド育成委員会によるガイド能力向上のための講習会を開催しています。昨年は仕事とバッティングすることもありあまり参加できていませんでしたが、やはり自身の能力向上のためにチャンスを逃してはいけないと、今年はできる限り参加するつもりでいます。
今回のテーマは「安全管理」。講師は国内外でレスキューやファーストエイドの経験豊富な西谷ガイドです。
忙しい日々の中でも原点に立ち返るということで、まず「あなたはなぜガイドを志したのか?」「あなたの思う安全管理とは?」という問いからスタート。なんだか筆記試験のようでドキドキでしたが(笑)、ちゃんと言葉にして紙に書きだしてみるということは重要ですね。
その後、それぞれの考える「安全管理とは?」を話し合い、西谷ガイドよりインシデントを引き起こす6要素、リスクに対応する4つの方策といったお話しがありました。
また各ガイドが実際に経験した事例発表はどれも他人事ではなく、同時に「そんなこともあり得るのか!」といった驚きもありました。
昼食をはさんで講習は午後も続きます。眠気に負けずストレッチを実践したり…
最後は班にわかれて「こんなとき、あなたは山頂を目指すか? 引き返すか?」といった問いに対して議論し、「こんな状況であればこうする」「こんな場合も考えられるのでは?」とさまざまな条件を想定して話し合いました。
印象に残ったのは、ガイド同士であっても違った考え方があり、おおむねそのどれもが正しく、安全管理について一言で言えるような正解はないということ。
個人的には、最初の「あなたの思う安全管理とは?」の問いについては、以下のように答えました。
(1)日常生活から始まっているもの。(普段の姿勢が大事である)
(2)状況が刻々と変わるので、その都度の対応が必要となるもの。(一度決めたらおしまいではない)
さらに今日の6時間の講習を踏まえて、以下のように考えています。
登山やアウトドア活動を計画し、頭に浮かべはじめたときから安全管理は始まっているのであり、計画・実行・評価といった各場面においてできることがたくさんある。その一つ一つの場面で「するべきこと」を、劣悪な状況に追い込まれたとしてもいかに面倒がらずにできるか、自分・参加者・自然といった要素について理解を深めながら、日々積み重ねていくことが自分なりの「安全管理」だと思います。
もう少し具体的には…
・しつこいほどの声かけ(「この岩すべります」「この木の根っこが…」「これも、あれも…」等)を、どんな風に言えば話しやすくなるか(テンションを変える、笑いを交える等)工夫する。(同じことを何回も言うとしつこいと感じられるのでは、という自分の恐れについて理解した上で、するべきことをどうすれば完了できるか考える)
・今回の講習中に即答できなかった事柄について確認しておく(「するべきこと」の習得/例:肉離れの対処がわからなかった→調べると「RICES」処置とのこと)
といったことでしょうか。
固くなりましたが、まとめるなら、西谷ガイドの言葉「『安全管理』とは『思いやり』」ですね(笑)
自分が完璧ではないことを理解した上で、いかに少しでも前に進めるか。方法論と同時に、そんなモチベーションをもらった講習会となりました。
奈良山岳自然ガイド協会
西谷講師のブログ