奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

2021年の振り返りと2022年の展望

2021年はなんといっても娘の成長とともに歩んだ1年でした。本当に小さかった娘はぐんぐんと成長して、いまではしっかり歩くようになりました。言葉はまだ話せませんが、こちらの言うことは理解しているようです。食事も離乳食から幼児食に移行して、外出が楽になってきました。

コロナの影響もあり海外遠征はまったく考えず、2021年は育児と仕事で生活の基盤をつくっていく年にしようと思っていましたが、その通りになりました。

仕事の面では登山ガイド業が中心となりました。新企画も多くいままでで一番企画をたてた年でした。14時間歩いた雪の八経ヶ岳や分割で歩いていた大峯奥駈道縦走の完結、逆に一気に歩いたプライベートガイドでの大峯奥駈道7daysは思い出深いです。反面、9~11月は予定を詰めすぎ休む暇がほとんどなく、反省が残りました。

プライベートでは沢登りに比較的よく行きました。迷岳庵ノ谷、三峰山ワサビ谷など情報が少ない中で自分が主体となって行った沢はいい思い出となりました。

秋以降は仕事中心でしたが、12月に入ってからは岩に触れる機会が多く、クライミングの楽しさを思い出しました。時間をつくってトレーニングは続けていきたいところです。

2022年は仕事にかなり偏っていた時間のバランスをもう少し整えて、ほどよいペースを見つけていきたいものです。

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今年もよろしくお願いいたします!

 

昨年の振り返りはこちら

chkch.hatenablog.com

岳人12月号 掲載中!

現在、好評発売中の山岳雑誌「岳人」12月号にて記事が掲載されています!
今回は2記事。「私のヒヤリハット体験」コーナーにて、大峰での道迷い未遂を、「とっておきの山歩き」コーナーにて、伯母子岳&龍神岳をご紹介しています。
「岳人」12月号は全国の書店・モンベルストア・オンラインショップにてお買い求めください。娘も誌面に夢中のようです!

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国際登山リーダー研修会@神戸に参加しました

先週末はひさしぶりに紀伊半島を飛び出して大都会神戸へ。
10/29-30と2日間行われた日本山岳ガイド協会のIML資格認定研修会に参加しました。

IMLとは International Mountain Leader の略で、日本山岳ガイド協会が昨年、ハイキングやトレッキングガイドの国際組織である Union of
International Mountain Leader Associations(国際登山リーダー連盟)に加入したことで、世界基準での登山ガイド養成ができるようになり誕生した新たな資格です。

IML資格を取得することで、海外においては国際登山リーダー連盟加入国でのガイド活動ができるようになり、逆に国内においては訪日外国人に対して国際水準の技術を持っていることの証明となります。

今回は登山ガイドや山岳ガイドの有資格者を対象に、国際登山リーダー連盟基準との共通化を図る座学研修でした。
この後、来冬に雪洞泊を含む実地研修を経て、IML資格が認定されます(落ちなければ、ですが…)。

自分としては(1)世界基準の登山ガイドがどういったものが知りたいという興味と(2)インバウンドを見据えて国際資格を取得したい、という目的がありました。
実際には資格以外にも語学力や実地経験が当然必要なのですが、講師の先生方はもちろん経験ある受講生との交流含め、刺激的な2日間でした。

まずは机上研修で落ちていないことを祈ります…!

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大峯奥駈道縦走〔最終回〕八経~釈迦~行仙 2年半ごしの完結!!

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10/8~10、大峯奥駈道縦走シリーズの最終回を実施しました!

何度も計画しては流れていた八経ヶ岳釈迦ヶ岳~行仙岳の未踏区間を、秋晴れのもとようやく埋めることができました。
これにより、2名の方が(女人禁制区間を除く)吉野から熊野までの大峯奥駈道を完走されました。本当におめでとうございます!!

1年間かけ大峯奥駈道を分割縦走するこのシリーズを始めたのが2019年4月。今回歩いたパートは2019年5月に当初予定していたものの、悪天候のため八経ヶ岳より途中下山となりました。その後、台風やコロナの影響でキャンセル続きとなり、2年半ごしの実現となりました。
数えてみると今回は4度目の再企画だったようです。辛抱強くお待ちいただいたご参加の皆様には本当に感謝です。

あまりのキャンセル続きに何か呪われているのでは?と思ってしまったときもあったほどでしたが、最後はこの日のためにとっておいたかのような好天のもと、八経ヶ岳釈迦ヶ岳の大峯核心部をクリアし、続く南奥駈道もトレースすることができました。この2年半の間にメンバーの絆も深まり、長い待ち時間があったからこその和気あいあいとした雰囲気で、ハードな行程も全員そろって乗り越えることができました。特に釈迦ヶ岳を越えた2日目はテントを含む重荷を背負って13時間半行動という長い1日となりました。

もとはといえば2018年11月~12月にかけて、弘法大師の道の分割縦走を行った経験がこの奥駈道に繋がっています。弘法大師の道が無事歩けたことによって、より長い大峯奥駈道の実現が見えてきました。吉野・熊野・高野山大峯奥駈道小辺路弘法大師の道でトライアングル状に繋がっていることに気づいたのもこのときでした。
今回、ガイドとしてトライアングルの二辺を繋ぐことができました。最後の一辺となる小辺路はまだまだ続くコロナ次第でいつのことになるかはわかりませんが、奥駈道と同じように諦めず粘り強くチャンスを狙っていきたいと思います。

この2年半、ガイドとしてさまざまなことを奥駈道から勉強させてもらいました。次は順峯(熊野→吉野)という声も一部から聞こえてきた気がしますし(笑)、未踏区間が残っている方もおられますので、奥駈道との縁はまだ終わりそうにありません。が、ひとまず公募プランとしてはこれにて完結です。

皆様、長い間本当にお疲れさまでした&ありがとうございました!!!


大峯奥駈道縦走の軌跡―

2019/4/20~21 六田駅~吉野川柳の渡し~青根ヶ峰~五番関
2019/5/17~19 和佐又山ヒュッテ~大普賢岳八経ヶ岳~川合
2019/10/14 和佐又山ヒュッテ~大普賢岳阿弥陀ヶ森~大迫
2019/11/9~10 池郷林道~持経の宿~笠捨山~21世紀の森
2019/12/14~15 21世紀の森~玉置山~熊野川熊野本宮大社
2021/10/8~10 行者還トンネル西口~八経ヶ岳釈迦ヶ岳~持経の宿~行仙岳~白谷トンネル東口

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三峰山ワサビ谷へ。登れる滝の多いお手軽沢

そろそろ沢シーズンもラストかも? ということでどこに行こうか悩んだ結果、三峰山のワサビ谷へ行ってきました。霧氷のイメージの三峰山で沢登りができるという意外性があり気になっていた沢です。ネット上に記録はあるものの遡行図は見つけられず、いまいち全体像や難易度がよくわからないまま向かうことになりましたが、階段状の容易に登れる滝がどんどん出てくるコンパクトながら面白い沢でした。

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三重県側の月出登山口に車を停め、橋のたもとより入渓。左岸側から入りましたが右岸の方が薮が薄そうでした。すぐに出てくる堰堤は右から巻き、再度沢へ。しばらくは平凡で、水量1:1の二股で右の本流へ。淵を持つ滝があまりなく、1か所ドボンできそうな淵がありましたがスルーしてしまい、暑さを感じながらしばらく歩いてきました。↑の写真はようやく水遊びができると喜んで入ったところ、シャワーが首元に入って冷たい!となっている図(笑)

水はこの4日前に行った大峰・神童子谷ほどは冷たくなく、インナーにモンベルのジョン+0.5mmネオプレンを着ている状態では暑いくらいでした。上半身はそれほど濡れないのでネオプレンなしでよかったかもしれません。

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開始当初は平凡でしたがだんだんと程よい滝が連続するようになり、どんどんと登っていきます。

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入渓後、40分ほどしたところでこの谷最大の8m滝とご対面。右から巻くことが多いようですが、休憩しながら眺めていたところなんだか登れそうなラインが見えてきたので、練習がてらロープを出して登ってみることに。

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出だしはハングしているので左から泥斜面をあがり、落ち口に向かって右上、最後は水流を渡って樹で支点をとりゴールしました。滝の音でコミュニケーションがとれずザックの荷揚げにやや手間取ったのは要改善です。登攀としては難しいものではありませんでしたが、やはり高さがあると緊張感があり、無事登れたことに満足しました。

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8m滝が終わってもまだまだ登れる小滝が連続します。

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8mほどではないですが、やや高さを感じる滝もあり。

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標高を上げても水が多く、シャワークライミングが楽しめます。

ところどころ支流との分岐がありますが、水量の多い方を選んでいけば自然と本谷を詰めることになります。

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やがて傾斜が緩み、一気に源流の雰囲気に。傾斜が落ちたところで右手の尾根に取り付くと最短で下山路となるゆりわれコースに合流できるようですが、私たちは水流を忠実に追っていきました。泊まれそうな台地が一箇所あり、のんびり沢泊も楽しいかもしれません。

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やがて真っ白な八丁平に飛び出しました。この溝がワサビ谷の最初です。

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何度も登っている三峰山ですが、沢装備で来たのは初めて。

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誰もいない山頂でランチ後、ゆりわれコースから下山しました。

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ホソバノヤマハハコはもう終盤の雰囲気。

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ヤマボウシでしょうか、赤く熟した実がところどころ落ちていました。

山頂から小一時間でゆりわれ登山口に下山し、林道を歩いて月出登山口に戻りました。休憩、下山も含めて合計4時間とかなり短いコースながら、満足度の高いお手軽沢でした。8m滝を登るのに30分ほどかけているので、ロープを出さなかった場合の遡行時間は2時間足らずでしょうか。行程が短い分、濡れる前提で衣類・装備を充実させて、シャワークライミングを楽しむのがよい沢だと思いました。

 

<今回のタイム>
10:15入渓~10:55-11:40 8m滝~12:35八丁平~12:40-13:10 三峰山山頂~14:05ゆりわれ登山口~14:20月出登山口

川上村の奥の奥、吉野川源流の谷へ

昨日は川上村の奥の奥、吉野川源流の谷へ。
9月は日の入りがよくて絶景がさらに絶景になるそうです。
水の透明度に感動しっぱなしでした。

今シーズンはいろんな沢に行きましたが、一番きれいだったのは地元という(笑)

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