奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

曽爾村・屏風岩~住塚山~国見山 柱状節理の絶景とプチ縦走

2/2(火)、プライベートガイドで奈良県曽爾村は屏風岩公苑周辺のプチ縦走に出かけました。

曽爾村の山々はどれも標高1000m前後と低く、冬でも雪の心配なく歩けます。雪山はハードルが高くて冬は行くところがない、という方にはオススメです。

今回は屏風岩一ノ峰936m~住塚山1009m~国見山1016mの周遊。トータル4時間10分の軽い山歩きでした。

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屏風岩公苑より出発。左がこれから登る屏風岩の威容。ヤマザクラの季節は観光客やカメラマンで賑わいますが、この時期は静か。ただし公衆トイレが3月末まで冬期閉鎖されており要注意です。麓の掛交差点の公衆トイレ(Googleマップ)を利用しましょう。

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駐車場から車道を少し戻って、若宮神社の横から入山します。

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杉林の中をじぐざぐに登っていくと、早速屏風岩の岩壁が見えてきました。溶岩が冷えて固まった柱状節理で、近隣の兜岩・鎧岩とともに国の天然記念物に指定されています。

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じぐざぐ道を登り切ったコルから、屏風岩の稜線をたどっていきます。南側は断崖絶壁。絶景ですが、落ちたら下の駐車場まで一直線です。足元注意!

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小ピークを越えて、屏風岩最高点の一ノ峰に到着しました。

ここから下ると、屏風岩公苑に戻る道と住塚山方面の分岐に到着します。

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ひと登りで住塚山山頂。最近、英語表記が追加されました。

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頂上からはたったいま歩いてきた屏風岩の背面や、曽爾高原を展望することができます。

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引き続き国見山へ向けて縦走。コルへ下る途中、関西ではあまり見かけないカラマツ林があります。信州では天然林が見られますが、こちらはおそらく植林されたもの…? どうなんでしょうか。

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ゼニヤタワと呼ばれる住塚山・国見山のコルへ経て、国見山の登りに取り付きます。途中、ゴジラの背のような屏風岩背面がよく見えました。

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岩場チックなところもあり、低山ながら登りごたえがあります。

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そして国見山山頂に到着! 「国見」という名前だけあって付近の大展望が広がります。

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曽爾高原と曽爾村最高峰・倶留尊山1037m(左のコブ)

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激登りと激下りで曽爾村最難関!?といわれる古光山953m

その他、鎧岳・兜岳、三峰山、高見山など多くの峰々が見えていました。

ここからさらに足をのばして済浄坊渓谷までいく手もありますが、今日はここで引き返します。ゼニヤタワまで戻り、住塚山方面には行かず林道へ降ります。しばらく林道を歩き、標識に従って杉林へ再入山。すると今朝スタートした屏風岩公苑へ降りる道に合流します。往路と同じじぐざぐ道を下って若宮神社の横へ下山完了。

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屏風岩の絶景広がる駐車場へ戻ってきました。

このコースを2/15発売の山岳雑誌「岳人」3月号にて紹介しています。ぜひご覧ください。

急坂のカナビキ尾根から天女の舞へ

1/31(日)、当初は氷瀑トレッキングを予定していましたが週前半の雨の影響で溶けてしまったという情報があり、急遽行先変更。前日に続き天女の舞に行ってきました。前日は西側からのルートでしたが、今回は反対の東側から。急坂のカナビキ尾根で前爪アイゼンの歩行練習もあわせてやってみよう、というテーマでした。

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熊渡より出発。みたらい渓谷を過ぎてからは林道にプチ氷瀑ができており綺麗でした。川迫川の流れが美しい。

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崩壊した林道歩きを経てカナビキ尾根に取り付く。アイゼンをはいてどんどん高度を上げていきます。

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途中、これから目指す天女の舞方面(1518mピーク)が見えました。霧氷が育っている様子。

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昼食をはさんで再び登り始めます。主稜線との合流直前はこの尾根一番の急坂。雪が多いとしんどいところですが、比較的歩きやすいコンディションでした。

ゆっくり目の出発だったので下りてきたグループと何組かすれ違いました。天女の舞はなかなかの密だったとか…。ここ最近、かなりの人気スポットとなっているようです。

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主稜線に合流し、夏道を外れて1518mピークへ直行。これまで急坂の連続でしたが、ピーク直下に限っては西側ルートよりなだらかで、雰囲気のいい自然林の森歩きが楽しめました。

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そして1518mピークに到着。ここは昨年、「天女の頂」という看板が設置されました。今後はこの名前が定着するんでしょうか。ヤマップには既にこの名前で登録されていました。2年前は天女山と呼んでいましたが笑

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「天女の舞岳」というプレートもありました。

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斜面を駆け下って天女の舞へ。ちょうど青空が広がってきました。

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いい雰囲気です。

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天女の舞といえば稲村ヶ岳の大展望! 2日連続で見ても格好いいですね~

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法力峠の向こうには大きな山が。帰宅して調べてみると大天上ヶ岳でした。個人的にはこれまであまり目立たない印象の山でしたが、この姿はかなり存在感がありました。

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 雪山を全身で堪能しましたとさ笑

雪はなくとも氷はある 大峰氷瀑トレッキング開催しました

本日は大峰氷瀑トレッキングを開催しました!
この時期としては異例の雪のなさで、アイゼンを使ったのは全行程の1割以下でした。
ただし、雪はなくとも冷え込みがあれば氷瀑はできますので、大小さまざまな氷の世界を楽しむことができました~
冬の特徴的な現象といえば雪・氷瀑・霧氷ですが、それぞれ成り立ちが違うため、特性を理解すればその日楽しめるものがきっと見つかります。
今日は氷の日でした☆

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霧氷の森と純白の高峰展望 天女の舞を開催しました

1/30(土)、「幻想的な霧氷の森 天女の舞」を実施しました。
午前中はモノトーンの世界でしたが、だんだんと青空が広がり、帰りは純白の稲村ヶ岳を望む絶景が…!
遠くの高峰だけが白い姿はヒマラヤを思わせました。
写真ではなかなか伝わりませんが、信仰の山というのが素直に納得できる圧倒的存在感でした。
高見山や三峰山に比べるとややロングコースではありますが、それだけに雪山のいろいろな表情を見ることができるコースです。歩けば歩いただけの発見がありますね。

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大峰シェイクスピア氷柱群フィールド調査&ガイドトレーニング

1/20(水)、エコツアー団体山遊び塾 ヨイヨイかわかみを一緒に運営しているガイド仲間とともに、トレーニングを兼ねて冬に氷瀑ツアーを開催しているフィールドの調査に行ってきました。天気予報とにらめっこして、冷え込みがしばらく続いた後の晴天を狙っていきました。これはフリーランスの特権ですね(笑)

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ガイディングの練習も兼ねて危険個所は積極的にロープを使っていきます。

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登山開始から約3時間、お目当ての氷瀑が見えてきました。

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巨大氷柱が立ち並ぶ円形劇場的な空間に圧倒されます。

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意外に予想ほど氷は発達していませんでした。しかしこれはこれで、繊細な美しさがあります。氷瀑の成長については12月の雨の量が少ないと発達しにくいとか、冷え込みすぎてもいけないとか、いろいろな要因があるようです。

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氷の内側に入りこんでみました。

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時間をかけてゆっくりと凍った氷は透き通るような色をしています。

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自撮り。日当たりがよすぎて氷がパラパラと崩れてくるので、撮影はスピーディーに。

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メンバー集合写真! 人と比べると氷の巨大さがわかるでしょうか。

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通常はこの絶景を見たら満足すると思いますが(笑)、欲張りな私たちは次を目指します!

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ここで、同じく川上村を中心に活動されている青空ファンさんのグループに偶然にも出会いました。ここからは写真の通り本格的な登攀が必要となります。

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40mの氷をアイスクライミングで登った先にはさらに100m級の大氷瀑が見えていました。が、さすがに本日はここで時間切れ。充実のガイドトレーニングとなりました。


ここは通常の登山道ではなく、道標も一切ありません。バリエーション的な登山の経験が必要な場所になります。付近一帯は地元地主さんが管理されており、私たちは作業道整備などの奉仕活動を行い、地主さんの許可をいただいた上で入山しています。貴重なフィールドが閉鎖の憂き目にあうことのないよう、これからも安全第一で守っていきたいものです。

今回訪れたところは難易度が高いため、現状公募ツアーでご案内することは難しいですが、フィールドの入り口には今回ほど本格的な装備がなくても訪れることのできる氷瀑があります。氷の世界に触れてみたい、という方はぜひこちらをご覧ください。

www.yoiyoi-kawakami.com

沢道コースから雪の和佐又山へ

今日も今日とて下見山行。
沢道コースから和佐又山へ登ってきました。
無雪期は車でサクッと登れちゃうので和佐又山ってなんとなくイージーなイメージがありますが、実は標高1344mと高見山や三峰山より高いんですね。
麓から沢や尾根の様子をじっくり見ながら登ると、この山のことがいつもより少しわかった気がしました。

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