奈良吉野の移住登山ガイド ちくちゅーの日記

山が好きで、山に住んでみたくて移住しました。山暮らし、ガイド報告、登山ネタetc.

紅葉の始まった大台ヶ原へ(10/4)

今日は大台ヶ原へいってきました。

山の上はもう紅葉が始まっています。シロヤシオはすでに見ごろですね。日出ヶ岳~正木峠間はシロヤシオの紅葉のトンネルです。紅葉、黄葉が青空に映えて気持ちのいい一日でした。

今年はあと3~5回は大台ヶ原へ通う予定です。大台ヶ原登録ガイドにもなったことですし、大台ヶ原のいろいろな面を見ていきたいなと思っています。

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 なお、本日(10/4)時点では大台ヶ原ドライブウェイは10/1発生の崩土の影響により通行規制があります。

 平成29年10月2日 大台ヶ原ドライブウェー(大台ヶ原公園川上線)の通行規制について
大台ヶ原ドライブウェーは、国道169号分岐から大台ヶ原側へ5km地点において、10月1日発生の崩土の影響により、通行止めの規制があります。
なお、迂回路については、林道辻堂山線、一般県道大台河合線が通行可能です。
また、対象車両については、2トン車(普通車・ワンボックス車)まで通行可能です。

上北山村ホームページより

最新情報は奈良県道路規制情報より確認することができます。

近々大台ヶ原へ行かれる方はご注意ください。

 

プライベートガイドでテント泊体験@行者還岳

週末はプライベートガイド。9/30~10/1の1泊2日で行者還岳へ。日帰りでも歩けるルートですが、テント泊の練習がしたいとのご希望で、あえてゆったり泊りで過ごしてきました。

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コースは通称タイタン尾根から。尾根上の廃林道にタイタン(トラック)が放棄されていることが由来のようです。

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尾根上にはこんなお化けヒノキも。

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紅葉が始まりつつありました。

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天気は最高!

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行者還避難小屋に到着。今回はテント泊の練習なので、あえて小屋には泊まらず。持参していただいた新品テントを実際に組み立てながら、設営の注意点などお話しさせていただきました。

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決まってますね~!

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夜は夜でバーナークッキングの練習。今回はアルファ米に甘えず(笑)、生米を炊きました。

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翌日もいいお天気。いよいよ背後にそびえる行者還岳へ。

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頂上の先は南壁の上までいくことができます。足元注意! でも、すごい景色。

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7月に登った弥山・八経ヶ岳の山並みがよく見えました。

その後、風対策やポールの取り扱いなど確認しながらテントを撤収し、往路をたどって無事下山しました。

テントで泊まれるようになると山の可能性が大きく広がります。これからが楽しみですね! ご参加ありがとうございました~!

11回目の富士登山

9/20~21で1年ぶり、11回目の富士山へいってきました。

昨年はヒマラヤ前の高所順応で夏の間だけで3回もいきましたが、今年は今回が最初で最後かなと思います。

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今回は吉田口より往復。早朝の5合目は誰もいない。

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最初は大型側壁ぞいのジグザグ道。尾根ぞいに山小屋が並んでいるのがよくわかりますね。

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7合目付近よりいきなり岩場となり(写真真ん中が岩場のスタート地点)、これ以降頂上まで岩場が続きます。この登山道を下山してきている人を多数見かけましたが、もれなく膝がつらそうでした。(通常はつづら折れのブルドーザー道が下山道です)

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山小屋はすべて閉まっています。

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疲れきった人たちの姿も。

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翌日、頂上よりのぞむご来光。

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巨大な影富士。

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日本で一番高いところ、剣ヶ峰にて。さすがに寒かったです。

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朝は氷点下でした。山頂部の池はカチンコチン。

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下山してくるとすごい車の数。観光バスも多く、5合目は外国人観光客だらけ。よくある表現ですがもはや日本ではないみたいでした。

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赤富士ハヤシ食べて帰りました。

 

今回は9月後半というシーズン外れの登山なので、通常の(夏の)富士登山の参考にはならないと思います。昨年もそうでしたが今回もかなり風に痛めつけられました。写真に風が写ればいいのですが、あいにくそのような写真はまだ発明されていないようで。写真だと人も少なく静かで楽々快適なコンディションに見えるかもしれませんが、実際には低温と強風との闘いとなりました。

ちなみに夏山期間以外における富士登山については、ガイドラインが出ています。参考までに↓

富士登山における安全確保のためのガイドライン|安全・リスク情報|富士登山オフィシャルサイト

 

富士山は見る山であって登る山ではない、という声もありますが、個人的には富士山は登って面白い山だと思います。決して楽ではない、安易に誰にでもおすすめできる山ではないですが、日本の山の中ではけた外れのスケール(高いというよりデカい)、高所の薄い空気はここでしか味わえません。登山道もメジャーな4コースに加え、5合目以下の古道や海抜0メートルからのトライといった選択肢もあり、自分自身まだすべてを歩きつくせてはいません。富士山は、面白いです。きっとこれからも通い続ける気がしています。

とある森の景色

6月からお手伝いしていた森林調査のお仕事が、先日終了しました。

はじめはすぐに終わる予定だったのですが、気が付けばなんだかんだもう秋の気配…。これだけの期間同じ森に通い続けることってこれまであまりなかったので、おかげで4か月にわたって、森の変化を見ることができました。

特に意外だったのは、夏(8月)にはもうキノコがたくさん出始めていたこと。キノコといえば秋のイメージだったので、認識が変わりました。

道なき道をいく今回の調査では、思いがけないところで森の主のような巨樹に出会ったり、大岩壁に遭遇したり、そんな中でも古道の痕跡を見つけたりと、宝探しのような感覚もありました。

山という場所は、見る目さえあれば面白いものがいっぱいありますね。

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食えるようになったら何を目指すか

先日、奈良県主催の地域おこし協力隊向け研修会に、パネルディスカッションのパネラーとして呼んでいただきました。明言されたわけではないのですが、協力隊を卒業して独立起業した一例として、声をかけていただいたものと思っています。

いろいろな話題がありましたが、おせっかいとは思いつつ、最後に会場に投げかけたのが「真面目にやっていれば『食っていける』レベルには案外すぐにいける。でも問題はその後。食っていけるようになったら、何を目指すか。そのビジョンを考えることが必要」という話。

当日は自分自身考えをまとめながらだったので、↑のようにうまくは言えなかったですが…。

協力隊卒業後にその地域で起業しますという場合、最大の不安が「果たしてこれで食っていけるのか」ということになると思います。食っていけるのレベルをどこに設定するのかにもよりますが。「アルバイトでも何でもして食っていく」のであれば、健康であればほとんどの場合はできると思います。ただやはり希望としては「自分の好きなことをしながら食っていきたい」というのがほとんどじゃないでしょうか。

自分の場合はそれがエコツアーガイド/登山ガイドということになります。さらに言うなら、「信州のようなメジャーな山岳地帯ではないここ吉野で、吉野らしいガイドと山暮らしのモデルを実践したい」ということになる。

まだ3月に協力隊を卒業して半年もたっていませんが、いまのところ生活できていて、なんとかやっていけるのかなという気がしてきています(冬の閑散期が終わらないと安心はできないですが)。そこで最近考えていたのが冒頭のテーマ。

年々考えも状況も変わるだろうし、最終的に100点満点という日は永遠にこない気もします。でも目先の生活だけでなく、そのちょっと先も考えてやっていきたいな、というのが「なんとか食えそう」という今の自分の気持ち。

 

↓当日使用したスライドの一部。こんなことやって、考えてます。

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研修会2日目はカヌー体験のガイド。少しでも参加者の方のヒントになったのならうれしいです。

お互いそれぞれの地域でがんばっていきましょう~。

「大台ヶ原登録ガイド」講習会で考えた大台ヶ原のいま

先日8月27日(日)、奈良県上北山村で行われた大台ヶ原登録ガイド登録講習会に参加しました。これを機に、大台ヶ原ってどんな山なんだろう? なぜ今ガイド制度なんだろう? ということを自分なりに整理してみました。

まず、「大台ヶ原登録ガイド」とは、今年の10月から運用が始まる制度です。

大台ヶ原登録ガイド制度は、自然ガイドとして一定の要件を満たした方を登録し、登録ガイドと一緒に歩いて頂くことで、大台ヶ原を訪れる方々に、より安全・安心に、より深く自然を楽しんでいただくことを目的としています。

 (大台ヶ原登録ガイドホームページより)

大台ヶ原の歴史は大峰山と比べるとそれほど深くはありません。大台ヶ原の入山の記録として、最も古いものは1708年に記録されているそうです。また記録は定かではないものの、紀州側(三重県側)の人々が生活のために、現在の西大台あたりまで入山していたと考えられるとのこと。

その後松浦武四郎の探検、古川嵩の開山の試みなどがあり、昭和11年(1936年)の国立公園指定、昭和36年(1961)年の大台ヶ原ドライブウェイ開通を経て、大台ヶ原は登山の山から観光の山へと変容していきました。

そこで現在、大台ヶ原で唱えられているのが「ワイズユース(賢明な利用)の山」ということ。(吉野熊野国立公園 大台ヶ原ホームページより)

紀伊半島本来の自然をよく残しているといわれる大台ヶ原ですが、現在は伊勢湾台風・ドライブウェイの開通による利用者増加・シカの増加などによって森林の衰退が進んでいます。そうした状況がある中で、森林の再生と利用との両立をはかるために導入されたのが、今回の登録ガイド制度である……という理解を個人的にはしています。

というわけで、大台ヶ原登録ガイドになるということは、単に資格が一つ増えたというような話ではなく、プロのガイドとして、利用者(登山者)に大台ヶ原の森林・生態系の貴重さや現状、それを守るために様々な人が活動をしていることを伝える最前線に立つことを意味するものと思います。

個人的にはやはりドライブウェイで頂上近くまであがれることがあり、登山の対象としては軽く見てしまっていた大台ヶ原ですが、今回の講習会での環境省の方や講師陣の熱い話を聞き、大台ヶ原を見直すきっかけとなりました。と、同時に、その魅力を余すことなく伝えることはそう簡単ではないなと、頭を抱えてもいるわけですが…。笑

とはいえ、ドライブウェイ終点につき車を下りた瞬間に感じる下界との空気の違い、森の瑞々しさ、頂上や展望台からの大展望etc…大台ヶ原には、言葉はなくとも通じる魅力が確実にあります。まずはいま一度大台ヶ原を歩いて、今回知った話を自分のものとしながら、背伸びしないガイディングをつくっていけたらいいなと思いました。

というわけで、熱が冷めないうちに、この秋は大台ヶ原に通いたいと思います。

vill.kamikitayama.nara.jp

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ガイドは毎日同じことをやっていて飽きないのか問題

夏がきて、最近はすっかりケイビング(洞窟探検)のガイドに明け暮れている。カヤックもやっているけれど、最近はめっきり洞窟に偏っている。数えてみたら、8月に入ってからすでに10回も同じ洞窟に入っていた。いまのところ2日に1回は行っている計算になる。

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洞窟に限らずだけど、ガイド仕事は覚えることがたくさんある。全体的な雰囲気づくり、スムーズな進行、的確な解説、安全確保etc...

ケイビングガイドではもちろん安全確保や洞窟の成り立ちの説明などもするけれど、お客様の思い出に残るいい写真をとるのも仕事のひとつ。これはライトを変えたりして、だんだんとよくなってきた。

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入っているのは同じ洞窟でも、同じことを同じタイミングでしゃべり、同じ動作をしているという日はそうそうない。毎日同じようで微妙に違う。こうした方がもっといい、これはやってみたけどイマイチだった、そういう試行錯誤の繰り返し。

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大前提として参加者の方が毎回違う。天候も違う。自分のリズムも微妙に違う。そうした中で毎日のツアーが繰り広げられていく。同じプログラムを毎日やっていても、安定というものはない。

これを大変だと感じるか、面白いと感じるかは人それぞれだと思うけど、幸いどうやら自分は面白いと感じられるタイプのようだった。それがわかっただけでも、この夏洞窟に通い詰めた甲斐はあるのかもしれない。

「毎日同じことをしていて飽きない?」と聞かれるときがある。端から見ると同じことの繰り返しに見えるのかもしれない。自分も以前はそう思っていた。

でも今ならわかる。飽きない。毎日少しずつだけど前進しているのが感じられるから

これを何十年と続けたらどうなるのだろうと思う時がある。それはやってみなければわからない。その先を見てみたいと思う。